ミッドライフ・クライシス -占星術と歩く中年期の危機-

ミッドライフ・クライシス

-占星術と歩く中年期の危機-

ミッドライフ・クライシスとは、四十代から五十代前半にかけて経験される心理的・感情的な不安や葛藤のこと。そんな、さまざまな出来事に直面している人たちを、岡本翔子さんがインタビューします。
困難にぶつかったとき、占星術を通して人生を振り返り、今後の豊かな未来を探っていく歩き方、あなただけの生き方を、岡本さんとともに見つけてみませんか。


第8回(2026.4.19)
ケーススタディ 6

Fさん(50代) 国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー / 現在は独身 / 水瓶座
Fさんの心理タイプデータ
Fさんの心理タイプのバランス表をポイントで計算した場合 ※各惑星のポイント表は第2回をご覧ください。

心に“小さな革命家”が住む水瓶座のFさんが、
学びを通じて自由とライフワークを見つけるまで

 占星術では水瓶座は“独創性に満ちた自由人”と評されます。占星術の教科書によると、水瓶座の適職はクリエイターや映像関係などと書かれていることが多く、一見、奇抜なファッションに身を包んだ人物を想像したりもします。「私って、ちょっと変わっている」と自称する水瓶座もいますが、そんな人ばかりではありません。
 また風の星座に属する水瓶座は、論理的思考に長けた人々です。アドバイザー的な職種や、シンクタンクなどの研究機関で働くのにも適しています。自由・平等・博愛精神に満ち、漠然と「世の中がもう少し生きやすくなればいいのに」と思いながら、組織の中でがんばっている水瓶座も多いのです。見た目はどうであれ、水瓶座の心の中には“小さな革命家”が住んでいます。
 今回登場するFさんは物静かで、着物が似合う和風美人です。実際に写真で見た和服姿のFさんは、大和なでしこそのもの。秘書検定1級の資格を有し、専門学校で秘書科講師としての経験もお持ちです。

 今回のお話には社会学用語として知られるホモソーシャル(homosocial)という概念が出てきます。ジェンダー論研究で知られるイヴ・セジウィックが提唱したホモソーシャルは、体育会系などで顕著にみられる男性同士の緊密な絆を指し、しばしばミゾジニー(女性蔑視)やホモフォビア(同性愛嫌悪)を伴います。
 社会に出てからFさんが期せずして出会う、ホモソーシャルな男たちとの関わりが実に興味深いのです。家庭で、または男性優位の社会の中で、Fさんが悩み、葛藤しながら成長していく姿を、占星術を通じて描いてみたいと思います。
 これはミッドライフ・クライシスを経験し、Fさんが結婚生活から「卒業」して、経済的にも精神的にも自立を果たし、自由になっていく物語です。

「実家は名古屋で花市場を経営していました。夫を亡くした父方の祖母が始めたそうです。祖母は水瓶座で、当時にしては珍しいアイデアウーマンでした。その息子である私の父は昭和14年生まれで、市場で花の仲買をしていました。父は私が物心つく頃から、月・水・金は早朝から働き、なぜか週休4日制でした(笑)。昼頃帰ってきて、暇さえあれば競馬・競輪新聞に目を通していました」
 Fさんのご両親は、二人とも獅子座だと聞いたことがあります。前に私が名古屋で、「家族の星を読む占星術講座」を開催したとき、Fさんが茶目っ気たっぷりに、「うちの親は二人ともギャンブラーなんですよ」とおっしゃったのを思い出しました。
 風の星座でクールな水瓶座と火の星座である獅子座は、黄道十二宮の中で正反対に位置する星座です。親分肌で豪快、ひらめきや直観を物事の判断基準とする獅子座は、ある意味、人生のギャンブラーです。当初私は彼女の発言を、「自分とは真逆の考え方をする両親の性質を、たとえて“ギャンブラー”と言っているのだな」と思っていたのですが、なんとお父さんは正真正銘のギャンブラーでもあったのです。
「母も獅子座でしたが、週休4日制の父とは違って、子どもの生活を守るために朝から晩までがんばってくれました。それでも二人は仲がよくて家庭は平和でした。私は三人姉妹の長女ですが、とにかく本を読むのが好きでした。土曜日になると一人で自転車に乗って名古屋市図書館に行き、夕方まで本を読んで過ごしました。小学校の高学年の頃ですね。シュバイツァーとか、伝記ものが好きでした。当時、祖母が百科事典を買ってくれまして、『私の知らない世界がこんなにある!』とワクワクしたのも覚えています」
 水瓶座は自由を愛し、論理的で単独行動を好む星座です。その片鱗はすでに小学生のころから現れていたようです。しかし直観と勢いで人生をドラマティックに生きる獅子座のご両親とは、相容れないものがあったのでしょう。

思考機能に優れる一方、
直観機能が欠落しているホロスコープ

 それでは先に記したように、Fさんの出生図を見てみましょう。ホロスコープを構成する10天体のうち、4天体(ユング心理学のタイプ論でいう思考機能に相当)が風の星座に位置しています。地の星座(感覚機能)に3つ、水の星座に3つ、ご両親の獅子座を含む火の星座(直観機能)にはひとつもありません。
 天体の数だけでは心理タイプは割り出せないと前に書きましたが、これに影響力の強い太陽や月、内惑星の水星や金星などを点数化してカーブをつけてみると、直観(火の星座)0点、感覚(地の星座)7点、思考(風の星座)14点、感情(水の星座に対応)5点となかなか極端な配分になりました。
 点数化すると圧倒的に思考機能に優れるFさんは、典型的な思考タイプです。サブ機能として五感に優れる感覚機能も発達しています。
 ホロスコープで太陽に次ぎ、その人の性質に重要な影響を及ぼす月が乙女座にあるからでしょう。月星座は私たちが自我に目覚める前の、より本能的なふるまいや気分、無意識的な性質を現しています。子ども時代のFさんは乙女座の月の影響で、どことなく控えめで几帳面、物静かな雰囲気を醸し出していたかもしれません。人生の前半にFさんは銀行員、役員秘書などを経験しますが、それはまさに乙女座の月の適職です。
 Fさんのホロスコープに最も欠けている要素は、天体がひとつもない火の星座の直観機能でしょう。また感情機能(水の星座)のポイントは5点ですが、これは世代的(1965~1967生まれの人の傾向)なもので、個人への影響はあまりありません。したがってFさんが充実した人生の後半を過ごす鍵は、自分の無意識の中から未発達な感情機能、ひいては一番欠落している直観機能を育てていくことにほかなりません。

 読書好きの少女は、やがて周りがみんな国立大をめざすような進学校に入学します。Fさんの暮らす地方都市では、女性が4年制大学に行くと就職が見つかりにくいといわれた時代です。そこでFさんが選択した道は、就職に有利な短大の推薦を取り付けて短大に進むことでした。短大卒業時はバブル経済の全盛期で、Fさんは20歳で全国に支店のある信託銀行に就職します。

ダメダメ行員時代を経て、
持ち前のサポート力(秘書的能力)に目覚める

「小学生の頃は、シュバイツァーに憧れていました。なにかしら社会の役に立つ仕事がしたかった。また働く母は私のロールモデルで、私も早く自分の力で生きていきたいと思っていました。母がよく言っていました。自分でお金を持っていないと、500円のストッキングも買えないと」
 ここまでのFさんの人生は順風満帆です。就職先は、礼儀正しく几帳面な乙女座の月を生かせるお仕事のようです。でも好奇心が強く、団体行動が苦手で自由を求める水瓶座にとってはどうだったのでしょう。

「実はどうしようもないダメダメ行員でした。最初に配属されたのは、お客様と接する機会のない印鑑照合業務です。またひたすら通帳に印字をする作業では、何千万円もする機械に通帳を詰まらせて業者を呼ぶ羽目に。わずか10か月で他部署に移動させられました」
 水瓶座というのは、決まりきったルーティンワークが苦手な人たちです。加えて“なぜなぜ博士”との異名を持つ星座です。形骸化された世の中のルールや不平等な出来事に出合うと「なぜ?」「どうして?」と質問せずにはいられません。
「業務に関しても疑問に感じたことを質問しては、上司に嫌がられました(笑)。工夫したら怒られるんですよ、銀行は。ところが次の配属先である金融法人担当では秘書的な業務があり、その仕事との出会いで、持ち前のサポート力をやっと発揮することができました。上司が働きやすく、100パーセント以上のパフォーマンスを発揮できる場を作るように工夫をする秘書の仕事が楽しくて……。上司に喜んでもらえること、必要とされていることが、何よりの働くモチベーションとなりました」
 水瓶座の太陽が持つ「改革力やアイデア、独創性」×乙女座ならではの「人の役に立つことが喜び」という性質や「秘書的能力」。このふたつが合わさった仕事との出会いが、後のFさんがライフワークとする新たな職業へとつながっていきます。

 入行4年目で退職を決意したFさんは、銀行での秘書経験を生かし、秘書コースがある地元のビジネス専門学校に転職します。
「銀行では、女性は結婚や出産を機に辞める人が多かった。でも私は働き続けたかった。スペシャリストになりたいと思ったんです。転職先ではまず広報の仕事を1年半やった後、秘書科の学生を教えるように。秘書検定対策、ビジネス文書作成などの授業を担当し、学生に資格を取らせ、就職させることが、担任としてゴールでした」

ホモソーシャル傾向の強い夫と始まった
奇妙な結婚生活

 この専門学校で働いているときにFさんは友だちの紹介で、ある男性とつき合い始め、26歳で結婚します。
「彼もたまたま銀行員だったので、なんとなく話も合いました。同じ水瓶座だったんですよ。仕事も続けていましたが、28歳のとき、突然、自分の父親が亡くなり、実家の花屋を継ぐために専門学校を退職することに。その後、29歳で出産したのを機に、花屋は妹夫婦に任せて専業主婦になりました」
 私はご結婚生活について、少し踏み込んだ質問をしてみたくなりました。水瓶座同士と聞くと、ラブラブな関係というより、同志的な友情に根ざした結婚を思い描きます。
「結婚生活ですか? それなりに楽しい時期もありましたが、彼は転勤組で出身地が福岡。そしてなにより“博多祇園山笠命!”の人でした。山笠の季節は、家族としては“戦力外”です。子どもが小さいころでも、山笠の集まりというと、すぐ新幹線に乗って福岡に帰ってしまいました。山笠仲間のつき合いが、何よりも最優先でしたね。祭りの時期だけではなく、その準備や打ち合わせと称しては家を空けるので、交通費もかさみます。銀行員といっても若いうちはお給料もそんなに多くありません。わが家は“山笠貧乏”でした。子どもにとってはいい父親でしたが、私は漠然と、長く働けるキャリアを築く必要があると感じていました。実家が商売をやっていたせいか、普通のサラリーマンと結婚したかった。でも私が考える“普通”ではなかったですね」
 博多祇園山笠といえば江戸時代(諸説あり)から続く、福岡では歴史ある祭りで、ユネスコ無形文化遺産にもなっています。かつては女人禁制の祭りだったそうで、山笠の担ぎ手は男性のみだった時代もあるようです。そんな話を聞くうちに、「山笠コミュニティは日本のホモソーシャルなのでは」とひらめいてしまいました。会社やスポーツチーム、軍隊、大学内の社交クラブなどの「男性同士の間で作られる社会的な絆」、古くは英米の名門大学に存在する、選ばれしものだけが入会できるクラブなども、ホモソーシャルの典型です。
 恋愛対象は「女性」であっても、一番大切なのは男性同士の絆で、妻を一人の対等な人間として尊敬し、絆を深めたいとは思っていないのが、ホモソーシャルの男性たちです。誤解のないように説明すると、山笠に熱中するすべての男たちがそうなのではなく、Fさんのご主人の山笠仲間との関わり方が、ホモソーシャル的だということです。私がそんな自説を展開すると、Fさんは、
「ホモソーシャル⁉ そのキーワードで、すべてがわかった気がします。祭りの後の飲み会も二次会、三次会と最後まで出席しないと不安になると言うのです。自分のいないところで仲間たちが何を話しているかが怖いと。それでまた家に帰ってこないわけです。ただ銀行員には転勤もあります。夫は単身赴任の期間も長かったので、その間に自分の今後のキャリアを考える時間がありました」
 こういう淡々としたリアクションも、風の星座が優位で感情的にはならない思考タイプの特徴です。もしFさんのホロスコープが火の星座だらけだったら、相手を問い詰めて激しくケンカを吹っかける、水の星座が強かったら、「愛されていない」と自己憐憫の感情にとらわれて、経済力もないまま離婚していたかもしれません。

起業、リスキング、リカレント教育、
そして中年期の危機

 専業主婦時代には子どもの成長を見守れる幸せを感じていたFさんですが、その一方で何かが足りない、とモヤモヤしていたそうです。そんな時代に「新人社員セミナーの講師」の話が飛び込んできて、徐々に仕事に復帰します。
「社会人向けや学校での就職セミナー、面接対策の講演など、単発の仕事も徐々に増えてきて、子どもの幼稚園が見つかったのを機に、個人事業主として2000年に起業しました。ここで私は“フリーランスという、所属しない働き方”を選びました。将来的には経済的にも自立したいと思いましたが、なりたい自分をめざしてアクセルを踏み続けると、宇宙の果てまで暴走してしまう破滅タイプだとわかっているので、適度にブレーキを踏みながら、仕事をロングランしていこうと思いました」
 30代から40代にかけてのFさんは、子育ても仕事も引き受けながら、ひたすら自分の器を満たす日々を過ごします。ビジネス講師として仕事をする中で、心理学や経営についても学びたいという意欲が湧き、まず産業カウンセラーの資格を取ります。今でこそリスキリングという言葉がポピュラーになりましたが、短大卒で社会人になってしまった彼女は、もっと勉強したかったという後悔がありました。それで35歳から37歳にかけて通信制の大学で学士の資格も取得します。このようにFさんは子どもを育てながら、変化する社会や産業に適応するための戦略的な学び直し=リカレント教育に自分の時間を費やしました。

「中年期の危機」と呼ばれる人生の特別な期間。それは占星術では進行する天王星が、出生図の正反対に来る時期をさします。Fさんの場合、それはリーマン・ショックで世界中の金融市場が大混乱した2009年、彼女が42歳を迎えた年でした。そのころに何か変化はなかったかとたずねてみました。
「面白いですね。リーマン・ショックのときも講師としての売り上げは右肩上がりでした。でも心の中は不安に苛まれていました。このままではお客さまに飽きられてしまうのでは。私が講師として関わる組織がさらによくなるためには、経営についての勉強も必要なのではないか。目の前の仕事に忙殺されながら、遠くに壁を見ているような感じでした」
 ミッドライフ・クライシスを迎えると、それまでの価値観が揺らぎ、無意識の声が聞こえてきます。Fさんはそれを30代後半から感じていたのでしょう。彼女の転機は少し遅れてやってきました。彼女の住む名古屋にもMBA(経営学修士)が取得できる経営大学院が開校し、さらに学びを深めることになります。
 さてFさんのホロスコープで欠けているものは、火の星座に対応する直観機能と水の星座に象徴される感情機能です。きっと彼女は産業カウンセラーの資格を取る過程で、人の感情と触れ合うことや共感力を学んできたのでしょう。では次なるチャレンジの経営大学院では、どんな学びが待っていたのでしょうか。

男性だらけの経営大学院でMBA取得、
そして「卒婚」

「経営大学院に入ったのは48歳です。人材マネジメント、企業家リーダーシップ、そして今までまったく経験のなかったアカウンティング(会計)、ファイナンス(財務・金融・資金調達など)といったお金にまつわることを学べたのが大きいですね。社会人経験を積んだその道のプロが集まる経営大学院での一番の学びは、今まで勉強してきた点と点が線でつながったことです。プログラムの中には、リーダーとしての志を学ぶ科目もありました」
 男性9割、女性1割の経営大学院を4年かけて卒業したというFさんですが、もともと論理的に考えることが得意な思考タイプです。多くの人々は中年期以降、家庭や仕事、人間関係でさまざまな事件や出来事に出遭い、そこから自分の中の欠落した部分に気づいたりしていきます。ところがFさんは自分の不得意分野を、なぜか“お勉強”という形で学習していきます。「人のサポートが得意」なFさんですが、ヴィジョンをもって人々をけん引する強力なリーダーシップには欠けています。それは彼女の出生図で最も欠けている直観機能に関わるテーマです。自分の苦手な部分にも気づかせてくれる大学院での学びは、きっと有意義なものだったでしょう。

「よれよれになりながら晴れてMBA(経営学修士)取得、大学院を卒業した年に、結婚生活からも卒業してしまいました(笑)。夫はフキハラ傾向(不機嫌ハラスメント)があり、何日も会話がないことも。子どもが成人した後の二人きりの生活は考えられませんでした。離婚したら母親は泣くかと思ったら、いや祝杯だ! と、二人で東京のパークハイアットのバーで乾杯しました。仕事をしていく上で、母はいつも味方でした」

ホモソーシャル企業に翻弄されるも、
楽しく、たくましく生きる

 50代後半になった現在も、Fさんはさまざまな企業や学校、官庁などから仕事を依頼され、ビジネス講師、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントとして、新入社員から管理職、経営者を対象に数多くのセミナーや講演を行なっています。念願の自由と経済的自立も手に入れました。
 私が聞いた面白いエピソードというか失敗談があります。MBAを取得してから数年後のこと。東証プライム市場に上場している大企業が、女性の社外取締役を探しているという話があり、それならFさんにと白羽の矢が立ちます。
「大阪にあるグローバル企業で、毎月取締役会があり、気合を入れて会議に臨みました。初めての会議の席でいきなり『社員教育に関してはどうお考えですか』とKY発言(苦笑)。問題点を進言するのが自分の役目だと思っていたのですが、その場が白けた雰囲気に」
「そ、それはやらかしましたね。水瓶座に星が集中しているだけのことはあります。ときどき空気読めない発言しちゃうのが水瓶座です。流行っていましたよね。ちょっと知的な女性美人芸能人を社外取締役に据えるというパターンで、意識高い系企業がやりそうです。でも本気で社内改善しようなんて思っていない、それ、ホモソーシャル取締役軍団です!」と私が口を出すと、
「あっ、そう言われてみれば取締役会の雰囲気も体育会系のノリで、男同士の絆の圧がすごかった。ホモソーシャルです! ああ。私の人生はホモソーシャルに翻弄されていますね。話が嚙み合わず1年で取締役から降りました」
 Fさんと私は大笑いしてしまいました。彼女の風貌は前にも書きましたが、着物の似合う和風美人系。本人曰く「仕事に熱中しているときはスカートをはいたおじさん」なのですが、見た目がホモソーシャル受けしそうなのです。一見控えめで古風な感じがする水瓶座女性と、ミソジニー(女性蔑視)傾向があるホモソーシャル男性は天敵のようなもの。奥ゆかしい外見に「こいつは支配しやすい」とうっかり近づくと調子が狂います。水瓶座の中には“小さな革命家”が住んでいるのですから。私はFさんに提案してみました。
「今後は会社の上層部がホモソーシャルだらけで、働きにくさを抱えている人々がいる企業を、ホモソーシャル受けする風貌を武器に内側から解体する仕事にトライしてみたらどうでしょう。今までのような真っ向勝負ではなく、共感力を使って一人ひとりのおじさんの心に寄り添い、彼らが懐いてきたら、自信たっぷりにリーダーシップを発動して相手を煙に巻くという作戦で」
 などと私が冗談めかして言うと、Fさんも乗ってきて、「それは水瓶座の“革命家の血”が騒ぎますね!」と面白がってくれました。学んだことを生かせる仕事もあれば、空回りすることもあります。それでも自分自身の得意分野や苦手なことがわかると、人生は少しだけ生きやすくなります。

 自分の出生図を人生の航海図として、中年期という未知の森に迷い込む。そこにはそれまでの自分には理解しがたい人々との出会いや、乗り越えられないように見える高い壁がそびえたっているかもしれません。パンドラの箱からは、怒りや絶望、不安なども飛び出してきますが、自分自身を知る手掛かりがほんの少しでも掴めると、希望の光が見えてくるように思います。


著者 岡本翔子(おかもと・しょうこ)
心理占星学研究家。ロンドンにある英国占星学協会で、心理学をベースにした占星術を学ぶ。英国占星学協会会員。
『完全版 心理占星学入門』(文春e-Books)、『「月のリズ ム」で夢をかなえるムーン・マジック』(KKベストセラーズ)、『占星学』リズ・グリーン著(青土社、鏡リュウジ共訳)、『月の心理占学』(方丈社)、『月 のリズムで暮らす本』『月の大事典』テレサ・ムーリー著 (ヴィレッジブックス、監訳)『ハーブ占星術』エリザベス・ブ ルーク著(東京堂出版、翻訳・監修)など、著書・訳書多数。
月の満ち欠けカレンダーを記し、月のリズムを生活に生かすヒントが満載のダイアリー『MOON BOOK』は2004年からのロングセラーで、2024年からWEBサイト版がスタート。『MOON BOOK 2025』がサイト内で発売中。自身が毎年発行する『MOON CALENDAR』(リボンシップ)も好評発売中。
また、占星術と料理、コスメ、旅などを組み合わせたコラムを『CREA』『美ST』『料理通信』『ESSE』などの雑誌連載を中心に執筆。『CREA』、「CREA WEB」「婦人画報」など多数の女性誌にも、月間星占いや月星座占い、ムーンカレンダーを連載中。毎年、各地でセミナーやイベントを行い、開催ごとに盛況となっている。
モロッコの砂漠で見る月に魅せられ、三越旅行や風の旅行社と組んで不定期に「月の砂漠ツアー」を行っている。
FaceBook 岡本翔子のMoonBook https://www.facebook.com/moonbook.jp/
岡本翔子オフィシャルサイト http://www.okamotoshoko.com
オフィシャルブログ https://ameblo.jp/okamotoshoko/
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岡本翔子監修WEBサイト「MOON CH」 https://www.moonch.jp


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