40歳をすぎたあなたが結婚をつかむための17か条(back)

40歳をすぎたあなたが
結婚をつかむための17か条


  第一回(2017.03.14)

 49歳と8か月――。私が結婚した年齢です。50の大台に乗る一歩手前で、ようやく嫁に行けました。20代の頃から結婚願望を強く持っていましたから、苦節20数年。それはそれは苦しく険しい道のりを歩んでまいりました。
 40代以降で結婚できる確率は、1~2%と言われています。有名人が40~50代で「大人婚」したなんてニュースを見ると、「いつか私も」という希望が湧いてくるかもしれませんが、現実はそんなに甘くはありません。実際、私の周囲でも40歳を過ぎて結婚にこぎつけた人はとても少ない。結婚したくてたまらないのに、恋人すらいない人がゴロゴロいます。ですから、50歳目前での私の結婚は、奇跡といってもいいでしょう。

 47歳と1か月。崖っぷちどころか、崖から指一本でかろうじてぶら下がっていた私の目の前に突如現れたのが、夫でした。彼は崖下に落ちんばかりの私を救い上げ、結婚してくれたのです。名づけるなら、「救助婚」です。
 果敢にもレスキューに挑んでくれた夫は、7歳年下。底抜けに明るくて、とても優しい人です。実年齢こそ私のほうが上ですが、まるで娘のようにすっかり面倒を見てもらっています。精神的支柱にもなってくれています。何より、毎日一緒にごはんを食べて、くだらないことで笑って……。まさに、「なんでもないようなこと」の幸せをかみしめています。結婚っていいもんだなあと、しみじみ感じています。

 仕事は順調でした。なのに、恋愛はうまくいかない。私のこれまでは、ずっとそんな状態でした。それなりに恋愛もしてきましたが、頑張っても頑張っても結婚にたどり着かないのです。今でこそ初婚年齢は上がりましたが、かつては25歳が結婚適齢期。30代前半になるとさすがに焦りはじめ、自分に何か問題があるのではないかと考えるようになりました。
 私は心理カウンセラーをしていますが、実はカウンセリングを学び始めたのはこのことがきっかけでした。結婚できないという自分の問題をなんとかしたくて、心理を学ぼうと考えたのです。心理を学び、書籍も読み漁って、なんとなく原因はわかっていったのですが、それでも結果は出ません。恋愛カウンセリングを得意とするカウンセラーのもとに通ったりもしましたが、願いは叶わず、とうとう40代に突入してしまいました。当然、男性からお声がかからなくなっていきます。
 地下鉄の窓に映る、疲れて垂れ下がった自分の顔に愕然とし絶望を覚えたことも、枕を涙で濡らした夜も、一度や二度ではありません。しかし私は諦めなかった。なにせビジネスでは「私の辞書に不可能という文字はない」という信念で結果を出してきた私です。だから結婚も不可能なはずはないと信じ続け、結果を出したのです。
 とはいえ、40歳を過ぎた女がただただ信じてさえいれば結婚できるわけではありません。そこに至るには、いくつかの自己変革が必要です。心理を学び、私なりに編み出して実践したその自己変革方法を、「40歳をすぎたあなたが結婚をつかむための17か条」として、この連載で披露していきます。
 もう私には結婚は無理……と諦めかけているあなた。どうぞ諦めないで。大丈夫、あなたもきっと、幸せな結婚ができます。


  第二回(2017.04.28)

第1条 美の追求を忘るべからず

 なんだか急に増えてきた白髪。額にはうっすらと横じわ。あなたはきっと、自分の身に起こったその現実に愕然としていることでしょう。真実を認めたくないという気持ちは、真実から目を背けさせます。よってあなたが鏡を見る時間は、以前と比べて格段に減っているはずです。
 しかし! 断言しましょう。その逃げの姿勢こそが、あなたを結婚から遠ざけていることを。
 カウンセリングでは、問題を解決するために、クライアントにまず問題をじっくり見つめてもらいます。そして、問題の中に潜んでいる解決のタネを見つけ、そこから花を咲かせるにはどうしたらいいか、一緒に考えていくのです。
 ですから、今のあなたがしなければならないことは、ありのままの自分から目をそらさず、じっくり眺めること。そして、それをどう「未来のキレイ」に生かすのかを考えるのです。

 私の夫は7歳年下です。彼は私に、「いつもキレイにしていてほしい」と繰り返し言います。そして、こんなことも言います。「俺がかほりを選んだ理由のひとつは、見た目がおばちゃんっぽくなかったからだよ。実年齢なんて関係ないんだよ」と。
 厳しい現実をつきつけますが、なんだかんだ言って、「女性は見た目」です。婚活において、女性は男性の年収を気にしますが、男性は女性の容姿を気にするのです。
 もちろん最終的に一番大事なのは中身ですが、出会いの時点で印象を決めるのは、見た目です。あなたがどんなに素晴らしい人柄の持ち主であったとしても、いかにも「結婚も恋愛ももうあきらめました」的なルックスだったら、誰もあなたを選んではくれません。神様だってさじを投げますよ。

 私は実年齢よりもかなり若く見られます。夫も、出会ったときには、同年代か少し年下かと思ったそうです。童顔というアドバンテージはあるのですが、それでも、メイクやファッションに関しては、あれこれと研究を重ねてきました。大手化粧品会社のメイクレッスンに行ったり、スタイリストにファッションのアドバイスをもらったりと、それなりにお金もかけました。
そしてわかったのは、「トータルでキレイに見える」ようにすればいいのだということ。顔の造作やしわの本数なんて無問題。「キレイな人」に見せる工夫をするのです。
 その秘訣をひとことで言うなら、個性を生かすこと。自分の持ち味に合った髪型やファッションをする、ということです。“美魔女”のような髪型やファッションが似合う人はそれでいいですが、似合わない人がやったら、時代遅れのケバいおばさんになるだけ。あなたにはあなたに合った髪型やファッションがあるのです。
 それを見つけるために、まずは人の意見を聞きましょう。例えば美容室に行って、美容師さんに「どんな髪型が似合いますか?」と聞いてみます。プロならではの提案をしてくれますから、その通りにしてみるのです。服選びに関しては、はっきりモノを言ってくれる友達に聞くのもいいですし、今はパーソナルスタイリストもたくさんいますから、一度サービスを受けて、どんな服装が自分を輝かせてくれるか診断してもらってもいいかもしれません。
 くれぐれも、女性誌に載っている「モテファッション」はマネしないこと。40歳を過ぎた女性が、ひらひらブリブリのファッションなんかしていたら、イタいだけ。そもそも、女性誌のファッションは女性スタッフが考えたもので、実は男性は、シックでスマートなファッションが好きだったりするのですよ。
 今、ここにあるものをどう生かすか――これこそが、成功の秘訣。いわんや婚活においてをや。


  第三回(2017.05.31)

第2条 年齢を誇りにするべし

 婚活市場において、女性は年齢が上がれば上がるほど価値が下がる。そんな“常識”があります。確かに、人間の本能を考えれば、若くて体力があり生殖機能も高い若い女性を男性が選ぼうとするのは納得がいきます。パンと張った肌やシワのないみずみずしい容姿に生命力を感じるのも、当然といえば当然です。だからこそ、あなたは「こんな年になってしまった私と結婚してくれる人はきっといない……」と唇を噛んでいるのでしょう。
 数年前の私もそうでした。40歳をはるかに超え、肉体的な衰えを感じ、気力も低下しはじめて、結婚はおろか恋愛への意欲も自信も失いかけていました。残りの人生をひとりで過ごすことになるのかもしれない、ならば、いかに人様に迷惑をかけずに死んでいったらいいのか……そんなことばかりを考えるようになりました。「婚活は諦めて終活したほうがいい」と、本気で思うようになっていたのです。でも、そんな私でも、数年後には結婚に至ったわけです。その理由のひとつは、「年齢に誇りをもっていた」ということだと思っています。

 日本の男性は昔から、若い(幼い)女性が大好き、と言われてきました。昨今のアイドル事情を見るにつけ、それはますます加速しているんじゃないかと思わざるを得ません。「子孫を残したいという本能に加えて、そういう風潮がある限り、年齢を重ねた女性は不利。いっそ国際結婚を狙おうかしら」という思いが頭をよぎったことがある人は少なくないでしょう。
 しかし、よく考えてみてください。男性がパートナーに求めるものは、若さだけではありませんよね?
 結婚相手に求める条件を訊くアンケートの結果などを見ても、上位にくるのは、「価値観が合うこと」「思いやりがあること」「癒し」などです。「若さ」などという文字はどこにも入っていません。少なくとも、絶対に子供が欲しい男性以外は、年齢以外のものを重視しているのです。それに、先が見えない時代であるがゆえか、女性に経済力や包容力を求める男性が増えているようですし、「年上女性が好き」と言う男性も意外に多いのです。
 そのひとりが、私の夫。彼は「年上の女性が好き」と公言しています。「自分が子供だから」と笑いながらその理由を話しますが、同時に、「経験を重ねた女性と話すのは面白い。若い女性は話しても物足りない」などとも言います。

 結婚とは、「結局のところ、ごはんと会話だ」と言った人がいます。全くその通りで、ごはんをおいしく食べられて、楽しい会話ができる相手でないと、生活を長く共にしていくことはできません。若いからといって、ごはんと会話が楽しくなるわけではありません。おいしいごはんが食べられ、豊かな会話を持続させるのに必要なのは、安定した経済と人間性です。年齢なんてものは長い結婚生活においては、まったくもって意味がなく、しっかりと地に足をつけて生きているかどうかのほうがよっぽど大切なのです。
 心が成熟した男性は、それをちゃんとわかっています。だから彼らは、年齢がいくつであろうが、豊かな会話ができ、楽しい時間を共有できる女性を選ぶのです。
 年齢をことさら気にするのは、むしろ女性のほうなのかもしれません。勝手に年齢を気にしてセンチメンタルになったり、若作りしたり、年をサバ読んだり……そんなことは今日限りやめましょう。あなたには、若い女性にはない知恵と経験があるのです。年齢は、あなたという世界の深さ、豊かさを示す数値です。それはまさに、婚活におけるアドバンテージとも言えるでしょう。年齢を重ねた女性は市場価値が低いなんていう“常識”は、私たちが覆してしまいましょう! ぜひ堂々と、年齢を誇りにしてください。


  第四回(2017.08.09)

第3条 許す心を持とう

 知人のR子さんの話です。40代前半の彼女は、専門的な仕事をこなす、いわゆるデキる女。社内でも一目置かれる存在です。容姿も美しく、さぞかしモテるのだろうと思いきや、恋人はいないとのこと。しかも、「私はたぶん、結婚しません」と断言します。結婚願望がないというわけではなく、たぶんしない、いや、結婚には向かないだろうと自分のことを分析しているのです。
「前の彼氏が、顔を洗ったときに洗面所の床をびしょびしょにしてしまう人だったんですよ。もう許せなくて。結婚したらそういうことの繰り返しでしょう? とてもじゃないけどやっていけそうにありません」

 R子さんに限らず、「話がつまらない」「自分よりも背が低いなんてありえない」「服のセンスが悪い」「ワインも選べないなんてダサい」などなど、男性の欠点を見つけては遠ざける女性の多いこと。挙句の果てに「いい男がいない、出会いがない」と嘆いています。
時代は変化し、女性は我慢することなく、自由に生きられるようになりました。自分でお金を稼ぎ、人生を謳歌するという豊かさを手に入れたのです。R子さんのように、仕事も趣味も思い切り楽しみ、自分磨きに余念のない女性が街にあふれています。とても素敵なことです。
でも、自分を磨けば磨くほど、つまり自分に厳しくすればするほど、人は他人に対しても厳しくなってしまいます。日本の女性はとても真面目ですから、仕事もダイエットもおしゃれも趣味も、完ぺきを目指して頑張ります。なのに、目の前に現れた男性は自分のようには頑張っていない。こんなこともできないの? あんなこともダメなの? どうして? そんなふうに相手に心の中でダメ出しをし、距離を置いてしまう……。デキる女性ほど、そうなりがちです。頑張ったがゆえに、許せないものが増えてしまう――豊かな時代ならではの悲劇かもしれません。

 私が尊敬する女性が、以前、こんなことを言っていました。「結婚って、どれだけ許せるか、だと思う」。当時の私は、「許せない」がたくさんある女でした。だからそのときは、この言葉にはピンときませんでした。
しかしその後、夫と出会います。夫は、育った環境も生きてきた場所も、考え方も生き方も、何もかもが私とは衝撃的なほどに違う、まさに異星人のような人。はじめのうちは、小さなクセから日常の過ごし方に至るまで、さまざまなことが気になり、「この人のことは許せないかもしれない」と悩みました。激しい喧嘩もずいぶんしました。もうダメだ、と諦めかけた瞬間も何度もありました。
 しかしそのたびに、あのときの女性の言葉を思い出し、気になる部分を許し、受け入れる努力をし続けたのです。少し時間はかかりましたが、結果的に穏やかな暮らしを手に入れることができました。
「価値観の合う人と結婚したい」という人がいますが、価値観が全く同じ人なんて存在しないと思ったほうがいいでしょう。価値観が違うからこそ、新たな発見がある。異物を受け入れ、許す過程の中でこそ、人は成長するのです。
「あれも嫌、これも嫌」なんて言っていたら、いつまで経っても結婚できません。できたとしても、許す心がなければ、やがて破綻します。幸せな結婚をするために、まずは、近くにいる人を許す練習をしましょう。会社の人でも友達でも誰でも構いません。「この人、気になるところもあるけど、それでもOK」と考え直してみます。そんな練習を繰り返していくことで、心ときめく男性が近くにたくさんいたことに気づくでしょう。


  第五回(2017.09.07)

第4条 女磨きは結婚を遠ざける!?

「女子力」なんていうわけのわからない言葉が独り歩きし、振り回されている「自称女子」も多いことでしょう(40歳過ぎて自分のことを女子と呼ぶのは、普通に考えて恥ずかしいのでやめましょうね)。
 美しい容姿に加え、ファッションセンス、家事能力、気くばり力、コミュニケーション能力、愛嬌などなど、イマドキの女性はあまりにも多くのものを求められている……なんて言われていますが、本当にそうでしょうか?

 女性がまだまだ社会で活躍なんてできなかった時代、女性たちが目指すのは、立派な主婦となり母となることでした。だから、花嫁として選んでもらえるよう、料理を習ったり花道・茶道などの教養を身につけていたわけです。お見合いが主流だった当時は、家事やお花ができることが、選ばれる条件のひとつだったのです。それこそが、かつての女磨きであり、それは生きる術でもありました。
 翻って、現代。私たちはどんな生き方をも選べるようになりました。本来、女性は好奇心旺盛で行動力があり、同時にいくつものことをこなせ、順応性が高い生き物。自分の母親たちが我慢してきた分まで人生を謳歌しようと、仕事ばかりかゴルフにお酒にアウトドアにと、あらゆることを満喫し始めたのです。
 そうして、さまざまなことを覚え、楽しむようになった私たち。人生を楽しんで、一流の男性をつかまえる――それが、現代の女性の目標となりました。そのために、仕事も家事の腕も趣味も見た目も向上させなきゃと、せっせせっせと自分に鞭打って頑張っているのです。「これが女磨き」と自分に言い聞かせて。
 ところが、気づけば、恋愛以外に注ぐ時間とエネルギーが増えてしまいました。また、やたらと知識が増えた分、「シャンパーニュの選び方がわからない男なんてNon!」などと言ってのける女性も急増したのです。
 仕事ができて、美しくて、教養もある。料理の腕だって相当なもの。気くばりも欠かさない。女磨きを頑張っている女性は、確かに素敵です。でも、女性としての隙がありません。シャンパーニュ~の例のように、言葉の端々に男性を蔑む態度が垣間見える人もいます。そのような女性に、果たして男性が近づくでしょうか。自分のパートナーにしたいと思うでしょうか?

 何かができるようになることは素晴らしいことです。でも、人が愛される理由は、「可愛げ」です。可愛げは、「できない」「ダメ」な部分にあるのです。バカな子ほどかわいいと言う言葉があるように、どこか抜けていたり、苦手なものがあったり、イメージを壊すようなところがあったりすると、なぜかその人に親近感と好感を抱くものです。あなたが過去に好きになった人にも、きっとそんな部分があったことでしょう。そしてそれこそが、その彼の魅力だったのではないですか?
 女磨きが婚活には必要!と勝手に決めつけているのは、むしろ私たち女性のほう。男性は、女性たちに、完ぺきさなど求めていません。ダメで、できなくて、自分を頼ってくる可愛げを求めているのです。

 というわけで結論です。女磨きなんてしなくていいんです。女磨きしているはずなのに、ちっともご縁がない、という人は、即刻頑張るのをやめましょう。
もちろん、やりたいことを思いっきり楽しむのはいいけれど、婚活のためにあれやこれや頑張る必要なんてありません。容姿に自信がなくたって、ちょっとぐらいシワがあったって、はつらつとした生命力を感じられればそれでOK。シャンパーニュの知識なんて、婚活においては何の役にも立ちません。それよりも、あなたのダメさを認めて受け入れましょう。それが、隙になり、男性から声がかかることが増えるかもしれませんよ。


  第六回(2017.10.14)

第5条 「探さない、待つの」なんて言ってないで、狩りに行くべし

 30代前半まではなんやかんやと男性からお声がかかっていたのに、30代も後半になったらパタッとそれがなくなった。そんな現実を目の前に、あなたは途方に暮れているかもしれません。今までモテてきたあなたなら、なおさらでしょう。自分からアクションを起こさずとも、いくらでも相手が目の前に現れていたはずです。しかし、今は?
 今までの振る舞いが通用しなくなり、あなたは内心、焦っていますね? 何かしたほうがいいのかもしれない。でも、でも……。あなたは心の中でつぶやきます。「いや、ちょっと待って。だって、私のバイブル『ルールズ』(自分から連絡しない、ミステリアスな女性を演じるなどといった法則が書かれた女性の恋愛指南本)に、男は追いかければ逃げるって書いてあるし…。あの女芸人だって言ってるじゃない。『探さない、待つの』って。やっぱり自分からガツガツ行ったりしたらダメ、引かれるだけ。焦るな、あたし」と。
 そうして何もしない日々が続き、気がつけば四捨五入したら50歳、というときを迎えるのです。そう、かつての私のように。そうなりたいですか?
 なりたくないなら、即刻、今までの考えを捨てましょう。待っている場合ではありません。だって、あなたのまわりにいる結婚対象は、ごく少数のはずです。素敵だなと思う人は、ほとんど結婚していますね? いたとしても、その人があなたに思いを寄せる確率はかなり低いでしょう。そんな環境の中で、ただただ待っていても、寄ってくるのは、宗教と献血の勧誘、あるいは、ゲスな既婚男だけです。
 時間を無駄にしないためにも、狩りに出かけましょう。行動範囲を広げるのです。結婚相談所に登録するのもストレートな婚活で悪くはありませんが、登録段階であなたは、おそらくショックを受けます。40歳を過ぎた女性は、結婚相談所においてはかなり厳しいという現実を知るからです。どんなに中身が素敵であっても、条件で選ぶシステムにおいては、年齢だけではじかれてしまうのです。それに、自分よりも年上の男性としか会えない確率も高いのです。それでいいという人は、試してみてもいいと思います。しかし、年下がいいとか条件云々じゃなくフィーリングで人を見たいという人にとっては、満足度は低いかもしれません。結婚相談所というところは、効率的なマッチングをしてくれるところではありますが、極めて常識的、悪く言えば古臭いのです。
 40歳を過ぎたあなたが逆転ホームランを打ち上げるためには、常識から自由になることが大事。とにかくいろんなところに出かけましょう。趣味のサークルに入る、スポーツクラブに行く、セミナーに勉強しに行く、社会人向けの遊びサークルに入るなどなど、いくらでも出会いの場はあります。まずは出会いを作り、出会った人を「男として」ではなく、「人として」見ること。顔がタイプじゃないからなどといった些末なことで斬り捨てず、ちゃんと会話することです。それを繰り返すことで、「なんだか一緒にいてしっくり来るな」という人がいつのまにか傍にいるという未来がやってくるかもしれません。


  第七回(2017.12.23)

第6条 傷つく勇気をもつべし

「嫌われる勇気」という本がベストセラーになりました。相手が自分をどう思っているのかが気になって仕方ない、嫌われたくないという気持ちが強い人は、欧米人と比べると日本人にはとても多いのです。本が売れたのは、まさにそのことが形になったと言ってもいいでしょう。
 特に、「やまとなでしこ」(もはや死語ですが)である私たちover40の女性は、言いたいことをグッと我慢し、いつも笑顔で、相手の気持ちを慮ることを暗に求められてきました。恋愛においても、そういう女性が愛されるのだという幻想を、長いこと押し付けられてきたのです。
 それだけではありません。「わがままは悪だ」と親に言われ、上から押さえつけられ、言いたいことを言えずに育ってきた人も少なくありません。そういった意識を植え付けられたら、嫌われないように、わがままを言わず、自分らしさを押さえてしまうのも仕方ないことです。
 私の友人のY子さんもそのひとり。美人でおしとやかで感じの良い女性です。けれどずっと彼氏がいないのです。彼女自身そのことに悩んでいます。
 Y子さんと一緒に飲んだり遊びに行ったりする機会が何度かありましたが、彼女が自己主張する姿を見たことはありません。常に人に従い、わがままを言わず、ニコニコ笑っています。確かに誰からも嫌われません。でも、一緒にいて刺激がないのです。
 かのカルロス・ゴーン氏はかつて、とある女性誌のインタビューにこう答えていました。「ビジネスも恋愛も、長く続く関係は同じ。信頼と刺激があることだ」。
 嫌われたくないがゆえに、自分を出さず、相手に刺激ひとつ与えられないと、「つまらない人」と思われ、それ以上関係は深まりません。男性が、ニコニコして相手に従っている女性が好きだなんていうのは全くの誤解。女性がそうであるように、男性だって、女性に癒しと同時に刺激を求めているのです。
 これまで自己主張をしてこなかった人にとっては、言いたいことを言う行為は嫌われる恐怖を伴うこと。嫌われたら当然、傷つきます。でも、傷つくことを恐れていたら、深い人間関係は築けません。恋愛は人間関係の最たるものですから、傷つかないわけがない。自己主張をしあって傷ついてこそ、関係性ができあがっていくのです。
 さあ、今日から、言いたいことを少しずつ言う練習をしましょう。食べたいものを主張する、というような小さなことからでいいんです。嬉しいときに「嬉しい!」と言うことだって立派な練習になります。自分の気持ちを確かめて、それを素直に口にする。それを繰り返して行ってみてください。きっとじきに、わがままを言える魅力的なあなたになっていくはずですよ。


  第八回(2018.01.19)

第7条 失恋を糧にできる女になれ

 40歳ともなれば、それなりに失恋を経験してきているもの。あなたも例外ではないでしょう。失恋には女性を成長させてくれる側面もあります。失恋の数だけキレイになれる、のかもしれません。しかしながら、若いときの失恋はまだしも、年を重ねてからの失恋はイタイ。本当に痛い。
 私にも経験があります。30歳で大きな失恋をしたあと、ふいに始まった恋。つきあいが進むに連れ、一緒にいることがとても楽しくなり、ふたりの未来も想像できるようになっていきました。次第に未来への思いが強くなり、「今度こそは…」とすべての情熱を注ぎこむように。しかしあるとき突然、その恋は破れたのです。私は30代半ばになっていました。
 まず襲ってきたのは、今の恋と未来とを失ったことによる身を斬られるような痛み。次いで、「もうこの年じゃ、これから先、恋愛はできないに違いない。一生ひとりだ…」という思い込みからくるとてつもなく大きな不安でした。人間にとって一番つらいのは、希望を失うこと。唐草模様の風呂敷をしょって一世を風靡した昭和の芸人さながら、「夢もチボー(希望)もない」とぼやきつつ、私はやけっぱちの毎日を長いこと送ることになるのです。
 アルコールに溺れ、ファッションやメイクにも興味がなくなっていき、表情も口調も荒れていく私。さらに、ひとりで生きていくならば食いっぱぐれないようにしなければと仕事に猛進します。艶のつの字もない、見苦しい「モーレツ働きおばさん」です。そんなおばさんに恋がやってくるはずもなく、悪循環ループをぐるぐるとめぐる毎日でした。
 2年ほどそんな生活をしていたでしょうか。今となっては笑い話ですが、いやいやあのときは苦しかった。大人になってからの傷は、回復に時間がかかるのです。
 それでも私が今、結婚生活を送ることができているのは、懲りなかったから、です。私の辞書に「諦める」「懲りる」という文字はありません。いい意味で学習能力がないのです。最近のはやりで言うところの「レジリエンス」が高いのかもしれません。長いこと苦しんでも、それを糧にすることができているのだろうと思います。だからこそ、次に行けるわけです。
 ですから、あなたも決して懲りてはいけません。その傷こそが、最高の恋を連れてくるのですから。ではどのようにして、失恋を糧にするか。
 それは、苦しみから逃げないこと、です。苦しみは、逃れよう・忘れようとするほど、あなたを苦しめます。きちんと処理してあげないと、心の奥底に深い傷となって残ってしまうのです。まずは気の置けない友達に甘えて、とことん泣いてください。ひとりでいるときに、思いっきり暗い歌を聴いて泣くもよし。日記に思いを綴るのもいいでしょう。
 ひとしきり悲しんだら、その恋や失恋が自分に与えてくれたものは何だったのか、相手が自分にくれたものは何だったのかを考えましょう。最終的に別れた彼に心の中でエールを送れるようになるまで、過去を振り返る作業を続けましょう。作業が終わるころ、あなたは今まで以上に輝き、周囲の視線を集めていることでしょう。


  第九回(2018.02.15)

第8条 助言は求めない、聞かない

 私がまだ運命の相手を探してさまよっていたころ。「結婚したい~」と何かにつけて口にする私に周囲の人たちは、あれやこれやと“助言”をしてくれました。
「あなたは何でもできるから良くないのよ。隙を見せなきゃダメ!」
「理想が高すぎるんじゃない? 妥協しなくちゃ」
「甘え上手にならないとね。かわいいところを見せるのよ」
 などなど、ああせいこうせいと具体的に助言をくださったものです。お見合いおばさんのような、人と人を結びつけるのが大好きな女性に会ったときなどは、
「あなた、年下が好きなの? ダメダメ! 心でそう思っていてもそんなこと決して口にしてはダメよ。男性ってのは年下のかわいい女が好きなんだから」
とまで言われました。

 婚活女性がバイブルにするベストセラー本があります。そこには、女性は自分から男性に連絡してはいけない。常にミステリアスにしていること。デートの誘いをすぐに受けてはいけない……などというルールがたくさん書かれています。運命の人探しに必死な女性は、それをついつい信じてしまいます。さらには、周囲の人たちがくれる助言を信じ、忠実に実行に移すのです、かつての私のように。あなたもそうですか? 
 それは功を奏しましたか? ……NOですよね? だから今、このコラムを読んでいるわけですよね?

助言をくれる人たちは、心から心配して親身になってくれています。ありがたいことです。でもね、その人たちは、その人の経験や世間の常識を基に発言をしているのです。あなたとその人の経験や立ち位置は違うし、あなたのごく一部しか知りません。それに、世間の常識がすべての人にあてはまるとも限らないのです。私の夫のように年上の女性が好きな男性もたくさんいるし、甘え下手な女性を支えたいと思う男性だっているのです。
そもそも、「男性はこういうもの」なんて決めつけるのは、男性に失礼でしょう? 勇気を出してデートに誘ってくれた男性を翻弄したり、自分から連絡しないだなんて、相手をバカにするにもほどがあります。
 それに、人の助言をうのみにしてしまったら、あなたの個性が消えてしまいます。あなたには、あなたにしかない良さ、輝きがあるんです。ダメなところにばかりフォーカスしないで、あなただけの素晴らしさをもっともっと伸ばしてください。それが、結果的に、運命の人を引き寄せる近道なんです。
 男性とのつきあいは、女友達、仕事相手とのつきあいと同じ。それを肝に銘じてください。不安だから周囲に助言を求めたくもなりますが、最終的に頼りにすべきは自分なんです。自分を信じて、自分をオープンにして、前に進みましょう!


  第十回(2018.03.24)

第9条 “条件”にこだわると運命の人を見逃す!?

 性格、思いやり、価値観、収入……。結婚相手に求める条件について、あなたもあれこれと考えていることでしょう。確かに性格が合わない人や思いやりのない人とは一緒に暮らせないでしょう。生活をしていく上では、収入がきっちりあることも大事です。でも、そういった条件にばかり捉われていると、本当に自分に合った人を見逃してしまうかもしれません。
 かつて「3高」という言葉が流行りましたが、多くの女性はやはり、「学歴が高くて大手企業に勤めていて、収入も安定していて、背が高くてイケメン」な好条件男性と結婚したいもの。口に出さなくても、そう願っている人が少なくないはずです。あなたもそうですか? だってそういう人と結婚すれば、リッチな暮らしができるし、何より周囲に自慢できますからね。
 でも、そんな好条件男性が、あなたのまわりにいますか? いないですよね? いたらとっくに結婚していますよね? 万が一いたとして、その人はあなたを選びますか? あなたより若くてキレイで楚々とした女性を選ぶはずです。それが現実です。
 結婚相手を選ぶにあたって最も大事なことは、「その人といるときにラクかどうか。自分らしくいられるかどうか」です。好条件男性と結婚できても、一緒にいるときに無理や我慢をしてしまうようでは、長くは続きません。
 私自身も、かつてはさまざまな条件を男性に求めていました。「学歴は自分と同等以上で、収入は私よりも上。頭が良くていろんなことを話せて、身長は175センチ以上……」。まだまだほかにもありましたが、中でも絶対に譲れないと思っていたのは学歴です。私もまた、学歴社会の申し子だったのでしょう。だから、お付き合いしていたのは、自分の母校と同等以上の偏差値の大学を卒業した人ばかりでした。
 しかし、結婚した相手は、高校を中退した人。つまり、中卒です。
 夫とつきあいはじめ、学歴を知ったときには、正直悩みました。普段は布団に入ったら5分もかからず眠りに落ちる私が、眠れないくらい悩みました。40代後半まで独身を貫いたのは何だったの?と自分を責めたり、勉強している量が違うとのちのちさまざまな問題が生じるんじゃないの? と想像したりもしました。
 でも、彼は立派に仕事をしているし、大学を出た私以上に収入も得ていました。とても優しくてなにしろ明るくて、一緒にいて楽しい。それに、学歴の高い人にありがちな妙なプライドが全くないのです。だから、私がバリバリ仕事しても嫉妬するようなことはないし、むしろ応援してくれます。わからないことをわからないと素直に言えたりもします。とても尊敬できる人だと感じたので、結婚を決意しました。
実際に一緒に生活していても、想像したような問題は一切ありませんし、私が私らしくいられます。学歴なんて結婚にはまるで関係ないのだな、人柄と相性がよければそれでOKなんだな、と今はシンプルに思います。
 あなたが絶対に譲れないと思っている条件は、実は必要ではないのかもしれません。むしろ、その条件をもたない人のほうが、実はあなたに必要なものをもっているのかもしれません。
「一緒にいるときに心地いい」かどうかを、どうぞいちばん大事にしてほしいなと思います。そう感じる相手こそが、あなたの運命の人なのかもしれませんよ。


  第十一回(2018.05.13)

第10条 まずは自分を愛そう!

 人を好きになったら誰しも、相手から良く思われたいもの。男性なら格好つけますし、女性はかわいく見せようと身も心もいろいろと、「盛り」ます。初期段階はそれでもいいけれど、いつまで経っても盛ったままでは、本当のつきあいには発展しません。
 ある程度の恋愛経験を積んできたあなたなら、そんなことはわかっているはず。でも、それ、今までにできた試しがありますか? 自信を持って「ある」と答えられる人は、恐らくこのコラムは読んでいないでしょう。幸せなパートナーシップを築いているからです。たぶんあなたは「ない」か、「できたかどうかわからない」はずです。
 本当のつきあい=幸せなパートナーシップとは、お互いに自然体でいられ、本音を伝えあうことができ、心の中のブラックな部分も受け入れあえる、そんな関係です。「割れ鍋に綴じ蓋」という言葉がありますが、欠けている部分を補い合うことができる関係ともいえます。そういう関係が築けて初めて、人は本当の心の豊かさ、 安らぎにたどり着くのです。
 しかし、そこに至るのは簡単ではありません。なぜなら、本当の自分、素の自分がなんなのかちゃんとわかったうえで、それを受け入れいとおしむことができなければ、他人に素の自分を見せることなどできないからです。
 つまり、ありのままの自分を愛することができなければ、本当の意味で他人に心を開くことはできません。自分に合う相手が誰なのかもわからないし、人を愛することもできません。
 世は不倫ブームですが、不倫してしまう背景には、このことが隠れています。結婚相手と幸せなパ―トナーシップが築けていないがゆえに心の安らぎが得られず、それを求めて別の相手に気持ちが向いてしまうのです。
 自分を受け入れられず粗末に扱う人は、他人にも同じことをします。相手に愛情を与えることなどできず、自分に足りないものを相手から奪おうとしてしまいます。離婚件数が多いのも、突き詰めればそこに原因があります。
 あなたは、ただ単に結婚できればいいわけではありませんよね? 幸せなパートナーシップを築きたいのですよね? だったら、まずは素の自分を受け入れ、愛する ことから始めましょう。
 自分のいいところはもちろん、ダメなところも真正面から見つめて、「まじめなところがすばらしいね」「あわてんぼうだけどそこがかわいいよ」「くるっとカールした髪がいい感じ」「今日も仕事で失敗してしまったけれど、でも頑張った」……と、声をかけてあげましょう。日記のようにノートに自分へのほめ言葉を書き綴ってもいいですね。恥ずかしがらず、ひたすらこれを続けていると、自分がどんどん愛おしくなっていきます。そして、他人を見る目が変わり、人との関係の築き方も変わっていくはずですよ。


  第十二回(2018.07.03)

第11条 男を立てる女になる

「女は男を立ててナンボ」とは昭和の時代に誰かが言ったことば。平成の今ではセクハラ発言ともとられかねませんが、しかしこの言葉は、男と女の真実をよく表しています。
 実態はともあれ男女平等の考え方がようやく浸透してきて、女性である私たちはずいぶんと生きやすくなりました。活躍できる場所が増え、言いたいことを言いやすくなり、したいことは誰にも遠慮せず楽しめるようになりました。40歳を過ぎたあなたなら、若かりし頃の苦労を思い出し、時代の進化を喜んでいることでしょう。
 ところが、この「男女平等感」が現代、恋愛に変化をもたらしています。かつては、食事に行けば男性が支払いをするのが当然という風潮がありましたが、今では割り勘が当たり前。そう、支払いだって平等なのです。いい車に乗っているからとか、いい会社に勤めているからとか、そんな表面的なことで男性を選ぶ人も少なくなり(まさか、まだそんなことにこだわっていませんよね?)、男性の本質をしっかり見る目も、私たち女性は養ってきたように思います。
 それはいいことなのですが、平等でいようという意識の表れなのか、「男性を立てる」女性が減ってきているのではないかと感じます。女性が強くなり、自己主張できるようになってきたこと自体は喜ぶべきことですが、度を超して男性を追い詰めてしまったり、彼らが大事にしていることを無視してコミュニケーションを取ったりしているケースを見かけます。その影響なのでしょうか、これまでは男性から女性へのDVが圧倒的に多かったのですが、女性から男性へのDVも徐々に増えつつあります。
男性と女性とでは、脳の造りが違います。異星人だと言われるほど、考え方も感じ方も違います。そのことを踏まえず、同性に接するのとまったく同じ態度で異性と接すると、相手を傷つけたり喧嘩やトラブルに発展してしまうこともあるのです。
 差別と、性差を区別して接することは異なります。男性とうまくコミュニケーションをとりたいなら、彼らの特徴を良く把握しておくこと。これが大事です。
「ひとりの男として尊敬されたい」。男性は、そんな気持ちを胸の中に秘めているのです。女性が「ひとりの女として大事にしてもらいたい」という気持ちを秘めているのと同様に。
 私たち女性は、彼らのその気持ちを大切に守ってあげるべき。それこそが、男を立てるということです。特別のことをする必要などないのです。ただただ、尊敬しているという思いを伝えればいいのです。
 そのためには、周囲の男性たちのステキなところ、いいところを見つめる目を養いましょう。どんな人にもキラッと輝くところがあります。嫌なところばかり見ているようでは、どんな相手とも関係が発展しませんよ。あなたの中の「ステキ発見センサー」を進化させて、光るところを見つけたら相手にどんどん伝えてしまいましょう。

 


  第十三回(2018.08.23)

第12条 頑張ることをやめるべし

 高学歴・高収入の女性は婚活が難しい――。そんな噂を耳にしたことがある方も多いでしょう。男性は自分よりも学歴の高いハイスペックな女性を敬遠する傾向があるから。また、女性も自分よりスペックの高い男性を求めるがゆえに対象が狭まってしまうから、といったことが理由のようです。
 確かにそういった側面はあるでしょう。私自身、婚活をしていた頃には、そのことでずいぶん悩みました。しかし、高学歴だから、ハイスペックだから結婚が難しいのではなく、真実は別のところにあることを、私はのちに知ることになるのです。

 高学歴・高収入の女性には共通点があります。それは、「頑張り屋」であるということ。それもがむしゃらに頑張り、何でも自分でこなそうとします。そして、さらに上を目指そうと、仕事に美容に趣味に日々努力しています。あなたもそうではないですか?
 実はそれこそが、あなたが結婚できない理由のひとつ。
 頑張る女性は、子供の頃から、頑張れば報われるということを多々経験してきています。頑張って勉強したら希望の大学に入れた。頑張って就活したらいい会社に入れた。頑張ったらほめてもらえた。そんな数々の栄光を手にしてきました。だから結婚も、同じように頑張れば手に入るはず……。そう私も思っていました。
でも、結婚というのは、受験や就活などとは全く異なるもの。これまでと同じようなエネルギーで頑張っても、結果が出ないのです。
 結婚とは、相手に自分自身を受け入れてもらうこと。頑張って手に入るものではありません。頑張れば頑張るほどあなたの周囲にはバリアが張り巡らされ、男性は近寄れなくなります。

 だから、あなたがすべきことは、「頑張るのをやめる」ことです。なんでもひとりでやろうとせず、できない自分を認めましょう。そして、人に甘えることを覚えるのです。
 ずっとがむしゃらに頑張っていた私も徐々にそのことに気づきました。でも、40年も頑張ってきたがゆえに、人に甘えるだなんて、何をどうすればいいのかわからないわけです。そこでまず、「できない」「わからない」と口にするようにしてみました。重いものを運ぶときには「できない。手伝って」と言ってみる。瞬時にわかることだとしても敢えて「わからない」と言ってみる……。はじめのうちは、自分がダメな人間になっていくような気がして、複雑な気持ちでした。しかし、少しずつ、人が手を貸してくれるようになり、甘えることの心地よさを感じられるようになっていったのです。
 甘えるというのは、人の力を借りるということ。小さなことからでいいので、どんどん人に甘えてしまいましょう。それが、婚活成功への確実な近道です。だって、男性は女性に甘えてほしい生き物なのですから。


  第十四回(2018.10.18)

第13条 カウンセリング・マインドを身につける

「聴き上手」はモテる。
 どこかで目や耳にしたことがあることでしょう。自分の話をしっかり聴いて理解をしてくれる人には、誰だって好感を持つものです。ましてや男性は、女性に認めてもらいたい生き物。女性によーく話を聴いてもらえたら、その人に好意を持つのも不思議ではありません。では質問です。あなたは男性の話をよく聴いていますか?
 ある女性誌の調査では、「あなたは聴き上手だと思いますか?」という質問に、約7割の人がイエスと答えています。実際、私がカウンセリングやコーチングをする中でも、「私、話すのは苦手だけれど聴くのは得意なんです」という方の多いこと……。しかし断言しましょう。本当に聴き上手な人は、極めて少ない! 「私は聴き上手」と思っている人のほとんどが、聴いているつもりで聴けていません。それでは男性の心はつかめません。

 聴くということは、ただ黙って相手の話を「うんうん」と聞くことではありません(=多くの「自称聴き上手」がしていること)。言葉になっていない思いを理解し、適切な質問を投げかけたり、表情やしぐさによって相手の話を深めていくことです。つまり、相手に寄り添いながらも、ぐっと心を開いて心の奥にある思いや考えを引き出す行為です。当然、積極的に耳を傾けたり言葉を紡いだり表情を動かしたりしなければできないことです。だから難しいし、簡単にできることではありません。
 カウンセラーはこの聴き方を死ぬほど練習し、一定のスキルを身につけています。だから人の話を聴けるようになるわけですが、その一部だけでも、カウンセリング・マインドのほんのさわりだけでも心得ておけば、あなたの聴き方は変化し、たちまちモテるようになることでしょう。

 ではその一部をご紹介します。まずは、うなずき。相手をちゃんと見てしっかりと首を動かします。うなずいているつもりでも、意外とうなずけていない人は多いものです。自分が思っているよりも自分のリアクションは小さいと思ったほうがいいでしょう。今までよりも3割増しで首を動かします。
 うなずきだけでなく、ひとつひとつのリアクションを大きくするのもポイントです。驚いたときには、目を見開いて「え~っ!!」と驚く。楽しいならば思い切り笑う。話の内容がよくわからないときにはわかりにくいなという表情をする。あなたの話をちゃんと聴いていますよ、あなたを理解しようとしていますよ、という気持ちを全身で表現するのです。全身で話を聴いてくれる人が目の前にいたら、あなただってついつい話をしてしまいたくなるでしょう? そう、聴き上手はまず姿勢から、なのです。
 まずは、リアクション改革です。出川哲郎さんにも負けないぐらいのリアクション女王を目指してください。淡々と会話する人の多い中、あなたの存在は俄然、光り始めます。そして、身の上話やら悩みやら自慢話やらをしてくる人が増えていくはず。もちろん、気になる男性がいるのならば、即座にその技を駆使して会話の量を増やしてください。親密になれる……はずです、きっと


  第十五回(2018.11.25)

第14条 「さしすせそ」の達人になる!

 私は、50音の中でも「さしすせそ」が好きです。私は、これで結婚できたと言っても過言ではありません。あなたも、結婚をつかむために、ふたつの「さしすせそ」の達人になってください。

「さしすせそ」と言って調味料のことを思い浮かべたあなた、かなりの料理上手ですね(料理のさしすせそとは、砂糖、塩、酢、しょうゆ、味噌、の順に調味料を加えていくと、煮物などが上手に完成するということ)。それがひとつめの「さしすせそ」。料理を作って作って作りまくって、味付けをマスターしてください。もうひとつは、ほめの「さしすせそ」です。

 あなたは普段、他人をほめていますか? 男性と比べると、女性はほめるのが上手ではありますが、日本人の「ほめ」はまだまだ足りない!と言えます。
 そもそも、ほめることがなぜいいのでしょう。あなたも、誰かからほめてもらったら嬉しいですよね? そして、なんとなく自分に自信が持てますよね。さらには、ほめてくれた相手に好感を持ちますよね。そう、ほめることは、相手を立て、いい関係を築くためにとても効果的なことなのです。だからこそ、ほめればほめるだけ、たくさんの人といいコミュニケーションが取れるようになるのです。

 女性同士でも効果的ですが、男性には効果バツグン! 男性は、女性に認められたい生き物だからです。たくさんのほめ言葉の中でも特に使ってほしいのが、「さしすせそ」。

さ……さすが!
し……知らなかった
す……すごい!!
せ……センスいいね!
そ……そうなんだ
これが、ほめの「さしすせそ」です。

 つまり、「あなたはさすがね、私の知らないことをたくさん知っているのね、すごいなあ~、センスもいいし、そうなの? そうなの? そうなんだ~、へぇ~、すごい!」という具合に、大きなリアクションをしましょう、ということです。自分の話を一生懸命ほめながら聴いてくれる女性は、男性からすると、とてもかわいいのだそうです。ある男性カウンセラーも、この「さしすせそ」を多用されるとクラッとくる、とおっしゃっています。心理の専門家ですらそうなってしまうくらいですから、効果絶大です。

 なんだかおべっかを使っているような感じがしますか? だとしたら、あなたはまだまだ他人をほめる・立てるということができていないと言えるでしょう。どんな小さなことでもいいので、相手の素晴らしいところ、ステキなところを見つけて即座に口に出せるのが、ほめ上手&会話上手。ぜひ意識して「さしすせそ」を使うことから始めてみてください。

 さて、ふたつの「さしすせそ」が、結婚をつかむためになぜ重要なのか、ですが。
 結婚生活は、ご飯を食べて会話して、ご飯を食べて会話して……が延々と続きます。毎日、それの繰り返しです。つまり、結婚とは、ごはんと会話である、とも言えるのです。
 だからこそ、ふたつの「さしすせそ」を使いこなせるようになっておくことは、結婚をつかむだけでなく、楽しい結婚生活を送るのに大いに役立つのです。まさに一生ものなのです。どうですか、トライしたくなったでしょう?


  第十六回(2018.12.28)

第15条 脱・つまらない女

 知り合いのR子さんは、43歳。40歳になる直前から絶賛婚活中ですが、今もなお、誰ともおつきあいしていません。美人でやさしくてかわいらしくて、立ち居振る舞いも素晴らしい彼女です。男性からお声がかかることは少なくありません。誘われてデートに出かけたりしていますが、いつも1~2回お食事しただけで終わってしまいます。
「R子ちゃんは高望みしすぎなんだよ~」と周囲は口々に言います。確かにそれもあるでしょう(高望みと言うよりも、自分にどういう人が合うのかがわかっていないと言うほうが近いでしょう)。しかし彼女のいちばんの課題点は、「つまらない女」だということだと、私は思っています。
 つまらない女だなんて、きついフレーズですね。失礼。でも、これ、婚活はもとより、人とのコミュニケーションにおいてはとても大事なことですので、私はどうだろう? と、自身を振り返りながらこの先を読んでください。

 R子さんは、婚活のセオリーを一通り学んだのでしょう。「さしすせそ」の達人だし相手の話を一生懸命聴くし、服装や髪型だって文句のつけようがありません。
でも、私は彼女が意見を言ったり、自己主張する場面を見たことがないのです。食べたいものを尋ねれば「なんでもいいよ」。行きたいところはない? と聞けば「どこでも大丈夫よ」と答える。人の意見やアドバイスにも黙って耳を傾け、うなずきます。わがままは一切言わず、人に上手に合わせます。彼女が紡ぎ出す言葉はとても耳障りがよく人を傷つけることもありません。
しかし。残念ながら彼女の本音はどこにも感じられないのです。だから、話をしていても盛り上がりません。手ごたえがない会話に終始してしまいます。主体性がないので、常に主導権を握らなければいけないこちらは、疲れてしまいます。結果、一緒にいても「つまらない」と感じてしまうのです。
 女性ならばしとやかに主張せずに、と誰かに教わったのかもしれません。あるいは、社会生活を送る中で、自己主張しないほうが安全だということを覚えてしまったのかもしれません。しかし、1対1の関係性においては、主体性のなさは依存になってしまいます。本音が聞けない会話は時間の無駄使いと思われてしまいます。20代だったらそれもかわいい、になるのかもしれませんが、40歳を過ぎてそのままではキビシイと言わざるを得ません。

 40歳を過ぎた、人生経験をある程度積んでいる男性と対峙するとき、私たちはそれなりの中身の濃さを期待するものです。自分が想像した以上に濃いものが見えたら、俄然興味が湧きます。男性とてそれは同じです。含蓄ある言葉やら鋭い指摘やら、柔らかなギャグやら突然のボケツッコミやら、そんなものを大人の女性には期待しているのです。
 もしもあなたが敢えて自分を出さないようにしているのなら、今すぐに殻を脱ぎ捨ててありのままに振る舞いましょう。自分を出すのが怖いなら、食べたいもの、行きたいところを口にすることから始めてください。40年以上生きてきたあなたには、それなりの蓄積があるはずです。余裕もあるはずです。それをそのまま出せばいいのです。
本来、つまらない人なんてこの世には存在しません。自分をつまらない女にしているのは、ほかならぬ自分なのです。つまらない装いを脱げば、まずは自分がラクになります。その自然体のあなたに、興味を示す人がきっと現れます。


第十七回(2019.04.07)

第16条 自己アピールはやめるべし

 今やSNSは流行を超え、私たちの日常の中に定着しました。使っていないという人は珍しいほどで、あなたも何かしらSNSに触れていることでしょう。SNSの台頭は、自由に自分を表現できる場が増えたということでもあり、一昔前と比較すると自分の心を解放しやすくなったとも言えます。見知らぬ人と交流できたり、友達の日常を垣間見ることができたり、新たな発見もあったりと、SNSで世界は格段に広がりました。
 しかし、それが思わぬ副作用も生んでいますね。いじめの問題も起きていますし、友達のリア充ぶり(そう見えているだけだったりしますが)を見て落ち込む人も少なくありません。画面を見るたびに心を大きく揺さぶられ、精神的なダメージも受けてしまうのがSNSなのです。

 また、「いいね!」を押してほしくて、自分の日常を「盛る」ことも普通になり、皆、自己アピールにせっせと時間をかけるようになっています。その結果、承認欲求が肥大化してきていることも問題視されるようになりました。
「私はこんなに友達に恵まれています」「私ってこんなにすごいんです!」「私はみんなから愛されています」「心から幸せです」……。時間と労力をかけて、そんな投稿を繰り返し、〈いいね〉をたくさんもらって満足する。それは一種の麻薬のようなものなのでしょう。やればやるほど、もっともっと〈いいね〉が欲しくなり、投稿行為がエスカレートしていきます。そして、本当はそんなにすごくもない自分が、とてつもなくすごい人なんだという錯覚にも陥ってしまいます。よくよく考えると怖いことです。
 私も以前は積極的にSNSを使っていましたが、サイトを開くや否や、過剰なまでの自己アピールが途絶えることなく目に飛び込んでくることに疲れ、今はほとんどSNSを使っていません。今、振り返ってみると、自分では気づいていませんでしたが、自分に自信がなかったり、寂しかったりしたんだろうな、と思います。夫はSNSをほとんどしない人なので、彼に出会って私は、そんな自分を客観的に見つめることができ、冷静さを取り戻せたような気がします。

 SNSで自己アピールをしている人を、他人は意外と冷ややかに見ています。あなたが結婚を望む、賢くて自信と愛に満ち溢れた男性はなおさらです。口には出さなくても、「この人は自信がなくて、人から認めてもらおうと必死なんだな。つきあったら自分もSNSのネタにされてしまいそうだな」と思われてしまうかもしれません。
 もしも今、婚活のためにSNSで自己アピールをしているなら、まずはいったん立ち止まってください。自分の投稿を振り返り、それは等身大なのかどうかを確認してください。人に認められたいからと投稿してきたと気づいたら、少しSNSはお休みしてみしましょう。そして、周囲の人たちともっと会話をしたり、ゆっくり歩いて自然の恵みや変化を感じたり、おいしいものを心ゆくまで味わって、日常の中の幸せを楽しみましょう。
 日々の中の小さな満足を感じられる人こそが、結婚生活に幸せを感じられる人なのです。束の間の、偽物の満足を得るためにSNSに時間を使うよりも、いつか来る日のための準備に時間を費やしたほうが、よっぽど生産的だと言えます。


第十八回(2019.08.18)

第17条 結婚を手放しましょう

 いよいよこの連載も最終回。さまざまなアドバイスをしてきましたが、最後にお伝えするのは、「結婚なんて手放してしまいなさい!」ということ。逆説的ですが、結婚したいなら、結婚したい気持ちを手放すのです。
 引き寄せの法則を学んだことがある方はピンと来たかもしれませんが、何事も執着していると引き寄せられません。もしもひとりの男性から結婚したいオーラをビンビンに出されて毎日のように近寄ってこられたら、逃げたくなりますよね? あなたが結婚したいオーラを常にまとっていたら、ステキな人だって遠ざかってしまいます。
 それだけではありません。執着すれば力みます。力んだらうまくいかない、最高の力を出せません。だから力を抜くのです、手放すのです。

 私の友人は、子供が欲しくて欲しくて不妊治療をしていました。でも、何度トライしてもうまくいきません。落ち込んで、涙が枯れるほど泣いて、疲れ切ってしまいました。そして、「もう子供はいい。旦那さんとふたり、楽しく暮らしていこう」と決意し、不妊治療をやめました。その半年後のこと。なんと彼女は、妊娠したのです。それも、自然な形で。妊娠・出産への執着を手放したら、それが手に入ったというわけです。
 私も、同じです。20代後半から結婚願望が強く、結婚に執着しまくっていた私。出会いがあれば「この人と結婚したらどうなるかな~」と考え、「結婚できる服」、「結婚できるヘアスタイル」「結婚できる話し方」などの記事があれば紙に穴が開くほど必死に読み、忠実にそれを守る、というようなことをしていました。でも、結果は出ません。
 40代半ばになり、そんな自分が嫌になってきたこともあり、私は長年の思いを断ち切ることにしました。「もう結婚はいい。これからは仕事と趣味に生きよう。楽しく暮らしながら、人の役に立つ活動をしていこう」と決めたのです。そして、婚活もすっぱりやめました。夫と出会ったのは、その1年後のことでした。趣味の延長線上でまったく自然に出会い、自然に結婚へと向かっていったのです。

 友人や自分に起こった奇跡を振り返るにつけ、手放すことは、何かを実現させるために欠かせないプロセスなのだな、と強く思います。最近の若いアスリートの中には、スーッと優勝を手に入れる人がいますが、優勝に執着せず、とにかく自分のやっていることを楽しむという姿勢が功を奏しているのでしょう。
 手放すというのは、諦めることではありません。何が何でもという執念を捨て、自分がすべきこと、したいことを楽しみながら、「きっと大丈夫」と運を天に任せること、だと思います。そうすれば、神様が運命のいたずらを仕組んでくれます。
 私が結婚できず悩んでいたころ、ある人にこう言われたことがあります。
「ひとりにひとり、必ず運命の相手はいるんだよ。あなたにもその人がいるの、この世のどこかに。絶対に出会えるから大丈夫」。
 そのときは信じられませんでしたが、今になってみると、まさにその通りだと実感できます。
 今度は、私からあなたに、その言葉を贈ります。
「大丈夫。あなたには運命の相手がいます。必ず出会えるから大丈夫! その日まで、とにかく楽しく、楽しく、毎日を過ごしていきましょう!」

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 桜野かほり(さくらの・かほり)
1966年生まれ。心理カウンセラー。ビジネスシーンを中心にこれまで8万5千人のメンタルケアを行ってきた。「メンタルヘルスを保つのも男性の胃袋をつかむのも食事(料理)」が信条で、趣味の料理の腕に磨きをかける毎日。実年齢よりも10歳ほど若く見られるのが自慢。