40歳をすぎたあなたが結婚をつかむための17か条

40歳をすぎたあなたが
結婚をつかむための17か条


  第四回(2017.08.09)

第3条 許す心を持とう

 知人のR子さんの話です。40代前半の彼女は、専門的な仕事をこなす、いわゆるデキる女。社内でも一目置かれる存在です。容姿も美しく、さぞかしモテるのだろうと思いきや、恋人はいないとのこと。しかも、「私はたぶん、結婚しません」と断言します。結婚願望がないというわけではなく、たぶんしない、いや、結婚には向かないだろうと自分のことを分析しているのです。
「前の彼氏が、顔を洗ったときに洗面所の床をびしょびしょにしてしまう人だったんですよ。もう許せなくて。結婚したらそういうことの繰り返しでしょう? とてもじゃないけどやっていけそうにありません」

 R子さんに限らず、「話がつまらない」「自分よりも背が低いなんてありえない」「服のセンスが悪い」「ワインも選べないなんてダサい」などなど、男性の欠点を見つけては遠ざける女性の多いこと。挙句の果てに「いい男がいない、出会いがない」と嘆いています。
時代は変化し、女性は我慢することなく、自由に生きられるようになりました。自分でお金を稼ぎ、人生を謳歌するという豊かさを手に入れたのです。R子さんのように、仕事も趣味も思い切り楽しみ、自分磨きに余念のない女性が街にあふれています。とても素敵なことです。
でも、自分を磨けば磨くほど、つまり自分に厳しくすればするほど、人は他人に対しても厳しくなってしまいます。日本の女性はとても真面目ですから、仕事もダイエットもおしゃれも趣味も、完ぺきを目指して頑張ります。なのに、目の前に現れた男性は自分のようには頑張っていない。こんなこともできないの? あんなこともダメなの? どうして? そんなふうに相手に心の中でダメ出しをし、距離を置いてしまう……。デキる女性ほど、そうなりがちです。頑張ったがゆえに、許せないものが増えてしまう――豊かな時代ならではの悲劇かもしれません。

 私が尊敬する女性が、以前、こんなことを言っていました。「結婚って、どれだけ許せるか、だと思う」。当時の私は、「許せない」がたくさんある女でした。だからそのときは、この言葉にはピンときませんでした。
しかしその後、夫と出会います。夫は、育った環境も生きてきた場所も、考え方も生き方も、何もかもが私とは衝撃的なほどに違う、まさに異星人のような人。はじめのうちは、小さなクセから日常の過ごし方に至るまで、さまざまなことが気になり、「この人のことは許せないかもしれない」と悩みました。激しい喧嘩もずいぶんしました。もうダメだ、と諦めかけた瞬間も何度もありました。
 しかしそのたびに、あのときの女性の言葉を思い出し、気になる部分を許し、受け入れる努力をし続けたのです。少し時間はかかりましたが、結果的に穏やかな暮らしを手に入れることができました。
「価値観の合う人と結婚したい」という人がいますが、価値観が全く同じ人なんて存在しないと思ったほうがいいでしょう。価値観が違うからこそ、新たな発見がある。異物を受け入れ、許す過程の中でこそ、人は成長するのです。
「あれも嫌、これも嫌」なんて言っていたら、いつまで経っても結婚できません。できたとしても、許す心がなければ、やがて破綻します。幸せな結婚をするために、まずは、近くにいる人を許す練習をしましょう。会社の人でも友達でも誰でも構いません。「この人、気になるところもあるけど、それでもOK」と考え直してみます。そんな練習を繰り返していくことで、心ときめく男性が近くにたくさんいたことに気づくでしょう。

 

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 桜野かほり(さくらの・かほり)
1966年生まれ。心理カウンセラー。ビジネスシーンを中心にこれまで8万5千人のメンタルケアを行ってきた。「メンタルヘルスを保つのも男性の胃袋をつかむのも食事(料理)」が信条で、趣味の料理の腕に磨きをかける毎日。実年齢よりも10歳ほど若く見られるのが自慢。