40歳をすぎたあなたが結婚をつかむための17か条 超実践編

40歳をすぎたあなたが
結婚をつかむための17か条 超実践編


第12回(2024.7.12)

己を知れ!

 大変ご無沙汰してしまいました。またぽつぽつと不定期に書いていきますので、どうぞごひいきに。

 さて今回のテーマは、「己を知れ!」。強い口調になってしまいましたが、何をするにせよ、自分を客観視し、真の姿を理解する作業は欠かせない、という話です。

 婚活疲れに陥っている知人が何人かいます。話を聞くと、彼女たちは決まってこう言うのです。
「何人かとデートしたけど、面白くない人ばっかり」
「いい人はいるけど、好きだと思える人がいない」
 はたまた、
「いいなと思った人がいたんだけど、一度デートして断られた」
 なんていう人もいました。

 結婚相談所の調査によれば、婚活疲れをしている人は7割にものぼるのだとか。見知らぬ人とやりとりしたり、結婚を前提に話をしたりするのは、確かにとても疲れる作業です。

 が。

 20~30代はさておき、40代以上で婚活をしている場合、己を知らない、いや、見ていないがゆえに疲労する、ということもあるのです。
 先に紹介した知人たちのぼやきは、まさに己を知らぬがゆえの発言。
 他人が面白くないだの、いい人がいないだの、気持ちはわかりますが、よくよく考えれば失礼失礼千万。自分を棚に置いて……と、こちらがぼやきたくなります。

 そもそも40代は、もう若くはないのです。婚活市場においては圧倒的に不利です。今の40代は若くてキレイで魅力的な人が多いですが、子孫を残したいという人間の本能を考えれば、不利になるのはしかたがありません。
 また、立派なキャリアを築き、それなりに評価されているからといって、婚活もうまくいくというわけではないのです。
 マスコミ業界で活躍する友人が、離婚したばかりの有名男性実業家の名前を挙げ、「再婚相手は私よ。あれだけ活躍している彼を支えられるのは私しかいないわ」と妄想を繰り広げていました。接点を持とうと思えば持てなくはないので、不可能ではなかったと思いますが、その実業家は、あっさりと近くにいた女性と再婚しました。友人は、いまだ独身のままです。
 仕事で成功を積むと、人間としての格が上がったような気がして、「自分に釣り合う」相手を探そうとしてしまいますが、そういう男性は当然モテるので、すでにお相手がいるものです。しかも彼らが求めるのは、はかなげで甘え上手なタイプだったりします。自分とキャリ的に同等の女性を、家庭内に求めようとは思わないのでしょう。

 かつて、「嫁ぐ力と稼ぐ力は同じだよね」という“迷言”をのたまった知人がいたのですが、それはまったく違う、と私は思います。他者と協力しあいながら進んでいくという点は同じですが、自己実現が究極の目的であるビジネスと、パートナーと二人三脚で生活を築いていく結婚とでは、使う力が異なります。
 キャリアを積めば知識も経験も豊富になりますが、それが必ずしも家庭で役に立つとは限りません。ビジネスでは重箱の隅をつつくことが大事な場面もありますが、家庭ではそれは邪魔になります。むしろ、知らないフリや見ないフリをする力のほうが、家庭平和のためには必要です。
 さまざまな人とウィットに富んだ会話ができるようになった女性にとって、そういう会話ができない男性は面白みがないということになるわけですが、そういう刺激的な会話は家庭で必要でしょうか。
 稼ぐ力は、嫁ぐ力にはなりえない。とくに40歳を過ぎてからは邪魔になることもあるのだと、肝に銘じる必要があります。(ちなみに、“迷言”を繰り出した女性も50代で独身です。)

 あなたの中にある自分のイメージと、婚活市場における他者から見たあなたのイメージとは、まったく異なるものである可能性があります。そこを理解しないまま、自己イメージだけで突っ走ってしまうと、冒頭の女性たちのように「こんなはずじゃなかった」と疲弊するばかりになってしまいます。

 まずは、ビジネスと結婚に同様のものを求めようとしていないかを、今一度、己に問うてみてください。そして、そんな自分は婚活市場でどのように見られているのかを、客観的に分析してみましょう。あなたが「面白くない」と切り捨てた男性もまた、あなたのことを「傲慢な女だ」と言っているかもしれないということを、想像してみましょう。

 多くの人が結婚に求めるものは、安らぎです。安らぎのベースになるのは、寛容性です。様々な経験を積んできているあなたなら、お相手をおおらかな目で見て、受け入れる寛容性をお持ちのはずです。自分の中に眠る寛容性をさらに高めることが、婚活を成功させるカギになるはずです。

 

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 桜野かほり(さくらの・かほり)
1966年生まれ。心理カウンセラー。ビジネスシーンを中心にこれまで8万5千人のメンタルケアを行ってきた。ペットのうさぎに癒されながら、難関資格取得を目指す夫のサポートをゆるゆる実践中。「あげまん道」を究めるのが次なる目標。