書 籍
『アドラー心理学 愛と勇気づけの子育て』
岩井俊憲 著
四六判並製 208頁
定価:1,400円+税
ISBN:978-4-908925-82-5
アドラー心理学を長年伝えてきた著者による「子育てへの応用」「子育てへの実践」を展開する心理学実用書。子どもの行動の目的に着目しているので、子どもを伸ばすチャンスが増える効果が望める。
本来、アドラー心理学は、心理療法というより、子どもの教育法としての面が強く、本書は、具体的には著者夫婦たちによる子育ての体験談をもとに構成される。常識的な子育てとは一線を画しているが、含蓄のあるアドラー心理学による教育法を体験談とともに、具体的な教育方法が展開される。
さらに、それらの内容に加え、コロナ禍などの情勢を鑑み、「食える子どもに育つ」「コロナ禍のもと、生き抜く力をみつにける」などの項目も展開する。具体的には「子育ての4つのキーワード」、尊敬、共感、信頼、勇気を中心に展開する。
オーストリア生まれの精神科医・心理学者、アルフレッド・アドラー(1870〜1937)を祖とするアドラー心理学は現在では、精神医学、心理学、教育、ビジネスなど幅広いジャンルに浸透しているが、その理論と著者自身が仮定で実践した体験が、この本の中には生かされている。
■ 目次
はじめに——息子からの勇気づけの手紙——
第1章 尊敬・共感・信頼と、勇気づけの子育て
(1)尊敬——子どもの尊厳を認め、礼節をもって接する
(2)共感——子どもの目で見て、子どもの耳で聞く
(3)信頼——子どもを無条件に信じ、人格を全面的に受け入れる
(4)勇気——困難を克服する活力
第2章 良好な親子関係を築く
(1)日常の小さな積み重ねが親子関係をつくる
(2)適切な行動と不適切な行動
(3)原因よりも目的に目を向ける
(4)子どもの好奇心に共感する
(5)親の要望の伝え方
(6)対等で温かい親子関係にするために
第3章 体験こそ子どもの最大の教師
(1)自立心と責任感を育てるために
(2)体験から学ばせる子育て
(3)子どものやる気の育て方
第4章 豊かな人間関係と社会性を育てる
(1)子どもを取り巻く人間関係
(2)アドラー心理学の子育てが目指すもの
第5章 自分を勇気づける
(1)情報と子育ての悩み
(2)専業主婦家庭と子育ての悩み
(3)共働き家庭と子育ての悩み
(4)夫婦のバランスを考える
(5)シングルマザーと子育ての悩み
(6)人づきあいと子育ての悩み
あとがき
■ 岩井 俊憲(いわい・としのり)
47年栃木県生まれ。早稲田大学卒業後、外資系企業の管理職などを経て、85年、有限会社ヒューマン・ギルドを設立。代表取締役に就任。アドラー心理学に基づくカウンセリング、カウンセラー養成、各種研修を行っている。主な著書に『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』シリーズ(日本能率協会マネジメントセンター)、『人間関係が楽になるアドラーの
教え』(大和書房)、『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』(かんき出版)、『アドラー流 人をHappyにする話し方』(三笠書房王様文庫)、『働く人のためのアドラー心理学』(朝日文庫)、『2時間で折れない心を手に入れるアドラー心理学』 (宝島社)ほか。