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これから出る本

祟り神

戸矢 学 著
四六判並製・268頁
定価:2,000円+税
ISBN:978-4-910818-43-6

2026年9月29日発売

 

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「祟り」は迷信なのか。それとも、日本という国の成り立ちを読み解く鍵なのか。

本書は日本人が古来より抱いてきた「祟り」の思想を切り口に、神話・歴史・神社信仰を大胆に読み解きます。日本には無数の祟り神が存在し、その信仰こそが日本人の精神文化の根幹を形づくってきました。さらに祟りを恐れ、鎮める営みの中で、共同体の秩序や権力への抵抗、死者との共生という日本独自の感覚も浮かびあがってきます。

本書で取り上げるのは、牛頭天王(スサノヲ)、平将門、蘇我入鹿、大穴牟遅(オオクニヌシ)、そして大日孁(アマテラス)という、日本史を大きく動かした「五大祟り神」です。なかでも最大の謎として「最高神」とされるアマテラスが、なぜ天皇家に祟る存在として描かれているのかというテーマに迫ります。

京都の祇園祭は、華やかな観光行事として知られていますが、その起源は疫病や怨霊を鎮める「御霊会」にありました。八坂神社や神泉苑、全国の祇園社、御霊神社などを手がかりに、「祭りとは祟りを鎮めるための儀式だった」という視点から、日本最大級の祭礼の本来の意味を解き明かします。

さらに、平将門の首塚、出雲大社、神社の成立、祝詞や神道の起源にまで考察は及びます。神社は願い事をする場所ではなく、本来は「祟り神を鎮魂する施設」であったという大胆な仮説のもと、古代史の常識を再検証。神話や史書だけでは見えてこない歴史の真相を、全国の神社に残る信仰や祭祀の痕跡から読み解いていきます。

また、映画『もののけ姫』や『八つ墓村』など、現代人にも身近な「祟り」のイメージにも触れながら、日本人がなぜ「祟り」を恐れ、同時に敬い続けてきたのかをわかりやすく解説。祟り神とは単なる恐怖の対象ではなく、民衆の願いや怒りを背負い、権力と対峙する存在でもあったという新たな視点を提示します。

「祟り」という切り口から、日本史・神話・神社・祭りを一本の線でつなぎ、日本人の精神文化の深層へと迫る本書は、歴史好きや神社巡りを楽しむ人はもちろん、日本文化のルーツを知りたい人にとっても、新鮮な驚きに満ちた内容となっています。神話を知るだけでは見えない、日本人の心の奥にある畏れと祈りの構造を鮮やかに描き出し、読み終えたときには、神社や祭り、そして日本の歴史が、これまでとはまったく違う姿で見えてくるはず。

 

 

■ 目次

はじめに

第一章 「祟り」の本場・京都の素顔

盛大な祇園祭(ぎおんまつり)は祟り鎮め

祟り神「祇園神(ぎおんしん)」
牛頭天王の正体
祇園祭で「祟り」を祓う都人
祇園社と蘇民将来(そみんしょうらい)
祇園祭りの祭神が「スサノヲ」となった所以
朝廷が採用した鎮魂の呪術
祝詞(のりと)の使命は祟り鎮め

第二章 江戸・東京を守り続ける「祟り神」
将門首塚の怨念と魔力

空飛ぶ生首
「祟り神」の慰霊鎮魂(いれいちんこん)
「将門の首桶」は実在した
将門の祟りと江戸の大災害
源氏三代の祟り
「祟り」と「呪い」

第三章 行方不明の祟り神
天皇の面前で殺害された蘇我入鹿(そがのいるか)
天皇が生き証人の「祟り神」
「入鹿の怨霊」を探せ
改竄された蘇我氏の出自
「中臣」という氏族名の真相
「氏神」からわかる蘇我のルーツ
謎の「素鵞神社」
蝦夷・入鹿は大王(天皇)となったのか
法隆寺に封印された祟り神
入鹿の祟り

第四章 祟り神を封じ込めた出雲大社
オオクニヌシの恨みは晴れたのか

最大の祟り神、誕生
「神在月(かみありづき)」という嘘
「神器の祟り」は出雲由来か
出雲から献上させた神宝
草薙剣は出雲族の宝剣か
出雲国造とは何者か

第五章 最高神となった祟り神
崇神朝を滅亡させようとしたアマテラス

伊勢神宮と天皇の不可解な関係
宮中の祟り神
太陽信仰とは無関係の伊勢
祭りは祟り神の慰霊鎮魂
神社に封印される祟り神
「同床共殿」の神託
祟り神の封印
伊勢は、地の果て
霊地に突き立つ「心の御柱(しんのみはしら)」
八咫鏡の由来と「祟り」のゆくえ
祟られた天皇
謎に包まれた天智天皇の死
天智帝暗殺説は「祟り」の反映か

あとがき
参考文献
主な参考自著

 

■著者 戸矢学(とや・まなぶ)
1953 年、埼玉県生まれ。國學院大学文学部神道学科卒。
著書に『神々の子孫 「新撰姓氏録」から解き明かす日本人の血脈』(方丈社、2021 年)、『熊楠の神 熊野異界と海人族伝説』(方丈社、2022 年)、『ヒルコ 棄てられた謎の神』(河出文庫、2024 年)、『鬼とはなにか まつろわぬ民か、縄文の神か』(河出文庫、2024 年)などのほか、多数の著書がある。
公式サイト『戸事記』https://toyamanabu.jimdofree.com/