「監督が怒ってはいけない大会」にやってきた「それでも怒らない」人々
「監督が怒ってはいけない大会」にやってきた
「それでも怒らない」人々

バレーボール元日本代表の益子直美さん、北川美陽子さん、北川新二さんが主宰する「監督が怒ってはいけない大会」は、好評のうちに10周年を迎え、バレー以外でもサッカー、水泳、空手、バスケットボールなど、全国各地にそれぞれの「怒ってはいけない大会」が広がっています。
その大会に賛同し、参加する元日本代表のアスリートのみなさん、地元で「怒ってはいけない大会」を熱心に開催するみなさんたちの、スポーツを通して子どもたちに「楽しむ!」「怒らない!」「チャレンジする!」を体現する姿を紹介します。
益子直美さんメッセージ

「監督が怒ってはいけない大会」は本当にたくさんの人に支えられています。元日本代表のアスリートの集団、HEROsのみなさんや、それぞれの土地で大会を運営する実行委員会のみなさん。とくにHEROsのアスリートたちは、子どもたちと一緒になって走り回り、汗をかき、夢までも授けてくれます。みんな、子どもたちを笑顔にするために本当に一生懸命支えてくれて、とてもありがたい存在です。そんなみなさんの素敵なお話を紹介します。
※HEROs
日本財団が運営する「HEROs Sportsmanship for the future(HEROs)」プロジェクト。元日本代表などのアスリートが、災害復興支援・難病児支援・少年院更生支援など、全国のさまざまな社会課題の現場で、取り組みの輪を広げようと活動しています。
「監督が怒ってはいけない大会がやってきた」
一般社団法人 監督が怒ってはいけない大会
(益子直美 北川美陽子 北川新二) 著
四六判並製 256頁
定価:1,600円+税
ISBN:978-4-910818-12-2
書籍紹介
聞き手・鈴木靖子
撮影・落合星文
それでも怒らない人 番外編
『監督が怒ってはいけない大会がやってきた』がAudibleになりました。
9月26日(金)より配信中です。 Audible はこちらから
「監督が怒ってはいけない大会」の10年の軌跡をまとめた一冊、『監督が怒ってはいけない大会がやってきた』が2025年9月、Audibleになりました。しかも、ナレーションを務めているのは益子直美さん、ご本人です。

Audible化のきっかけもまた、益子さんでした。
「私、Audibleのヘビーユーザーなんです。車での移動中はいつもAudibleを聴いていて、おもしろい作品に出合えたときは、渋滞がうれしくなるほど。大島真寿美さんの『ピエタ』はイタリアのヴェネチアが舞台で、文章やナレーションの小泉今日子さんの声、壮大なオーケストラの音楽など、何もかもが美しくて引き込まれました。あと、池井戸潤さんの『俺たちの箱根駅伝』(朗読/浅木俊之)もよかった! 感情移入しすぎて、聞きながら大号泣して、泣き腫らした目で仕事に行きました。耳で聞くAudibleのよさを知っているからこそ、この本もAudibleになったらいいなと思ったんです」
じつは、書籍ならなんでもAudible化できるわけではなく、審査を通過する必要があるのですが……そのハードルも余裕で超えて、早々に制作がスタートしました。2025年6月末から7月にかけて、神楽坂のスタジオで3回に分けて収録が行なわれました。
ブースに入り、メモ用のペンを片手に身振り手振りを交えて、益子さんは朗読を始めます。「特別、練習はしてこなかった」そうですが、ディレクターからは「とてもスムーズで間違いは少ないですよ」とお褒めの言葉をいただきます。
とはいえ、聞き取りやすく、誤解がないよう細かなチェックが入ります。
「整列(せいれつ)が『せいりつ』に聞こえますね」
「『ベストスマイル監督賞』はワンワードで、切らずにいきましょう」
「そこは少し、感情的に緩急をつけてみましょうか」

下町生まれの益子さんが少々苦労したのが、イントネーションでした。『NHK日本語発音アクセント新辞典』(NHK放送文化研究所)にしたがいつつ、とくに規定のないものについては、1冊の本の中でイントネーションを統一するのですが……。
「通信」「サーブ」「レシーブ」……超頻出ワードである「バレー」も平板に読むのか、語尾をあげるのか、なんだかよくわからなくなってしまいます。「舌が長いのでサ行が苦手」な益子さんにとっては、「指導」「審判」「主催」も鬼門だったようです。
「自分の本のナレーションをするのが夢でした」
『監督が怒ってはいけない大会がやってきた』は益子さんと北川美陽子さん、新二さんのパートに分かれています。益子さんはそれぞれ声色を微妙に変え、時おり出てくる子どもたちのコメントはキーをあげて若々しく、悩めるおじいちゃん監督の言葉はとまどいを交えながら低いトーンで。細かな演技が加わり、さながらラジオドラマのようです。
収録は着々と進み、だんだんと薄くなっていく台本の束を見て、益子さんは「さみしい〜 終わっちゃう〜」。ディレクターもそんな姿を見て、「楽しんでいただけたなら、なによりです」と笑顔で答えてくれました。が、「再収録もぜひ! 何度でもよろこんで!」という益子さんの言葉にはさすがに苦笑いを浮かべていました。
「自分の本を出すことができたら、自分でナレーションをやりたいとずっと思っていて。これでまたひとつ夢が叶いました」(益子直美)
書籍には子どもたちの笑顔や真剣な眼差しがいっぱい掲載され、大会の楽しさを伝えています。
残念ながらAudibleでは写真による情報を伝えることはできませんが、10年間、さまざまな思いを抱きながら大会を作ってきた益子さん自身の声で語られるリアリティがあります。
そして、オーディブル特典の「あとがきのあとがき」は、収録を楽しんだ益子さんらしさが全開放!
どんな「あとがきのあとがき」になったのか……ぜひ、Audible版『監督が怒ってはいけない大会がやってきた』に耳を傾けてください。本とは違う楽しさや笑顔に出会えますよ。お楽しみに!

9月26日(金)より配信中です。 Audible はこちらから
