書 籍

新刊情報

ゆりかごにそっと

慈恵病院理事長兼院長 蓮田太二 著
四六並製 250頁
定価:1,400円+税
ISBN:978-4-908925-39-9

 

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ゆりかごにそっと
熊本慈恵病院「こうのとりのゆりかご」に託された
母と子の命

どの子もかけがえのない子であり、
人類の歴史を作る誇り高い存在だ。
私は頑固に言い続けた。
「なによりも命が大事。命を助ける」

日本にあるベビーボックスは「こうのとりのゆりかご」ただ一つ。
72歳の医師が「こうのとりのゆりかご」を開いて10年、
あらゆるバッシング、危機に耐え、130人の命を救ってきた。

編集者からひとこと

「こうのとりのゆりかご」(通称「赤ちゃんポスト」)を創設し、あらゆる困難をのりこえ、その運営を継続してきた、熊本慈恵病院院長・蓮田太二院長の初めて単独著書です。本書を読んでいただければ、「こうのとりのゆりかご」(通称「赤ちゃんポスト」)=「赤ちゃんを捨てるところ」という見方が、まったくの誤りでありことを理解していただけると思います。365日24時間体制で、行き場を失い、孤立出産に追い込まれている多くの女性の相談にのり、サポートしてきたこと。やむなく「こうのとりのゆりかご」に置かれた赤ちゃんを、生命の危機から救うための医療体制を常に準備してきたこと。その赤ちゃんの親が現れなかった場合には、赤ちゃんの幸福を考え、赤ちゃんを愛してくれる里親を探し、その里親のサポートをも行ってきたこと。このすべての活動が、慈恵病院という一医療法人の献身的努力によって支えられてきました。しかしながら、こうした活動が、日本で唯一、一医療法人の献身的努力で成立しているということに、問題の深刻さがあるともいえます。本書では、蓮田太二先生の活動を引き継ぎ、グローバルな視点でこの問題をとらえ、また、匿名出産・内密出産の法的な問題にも取り組んでいる蓮田 健副院長の活動も紹介されています。深刻化している、子どものいじめや虐待の問題も、「こうのとりのゆりかご」の延長線上にあると考えるなら、むしろ、問題は緊急度を増しているといってもいいと思います(慈恵病院では、こども食堂も運営されています)。そして、本書を読んでいただければ、「こうのとりのゆりかご」の活動の根底には、「命の尊厳を守る」という蓮田太二院長の思想が貫かれていることを、理解してもらえると思います。ぜひ、ご一読ください! 

 

目次

第1章 追い詰められるお母さんと子
case1 ゆりかごを目指して
case2 「誰が知らせたあ~」の叫び
case3 この子を弔ってほしいから
心を閉ざす妊婦たち
修道会から受け継いだ病院
慈恵の優しさ
case4 高校進学を果たしたお母さん

第2章 「ゆりかご」への道の風景
「ゆりかご」への道の風景1-父と再開
突きつけられた“命か、障がいか”-未熟児網膜症裁判
「ゆりかご」への道の風景3-2000年、相談室開設
「ゆりかご」への道の風景4-小さな扉
「ゆりかご」への道の風景5—バッシング
case5 「かくれんぼ」にやってきた男の子

第3章 悩み深い母、そして家族
case6 パートナーと連れてきた
case7 心身の問題で手のかかる弟の陰で
case8 世間が怖い

第4章 どの子も愛に包まれ育つ権利がある
子どもの幸せを第一に考える特別養子縁組
愛着障害を知ってほしい
case9里子のお試し行動
子どもの虐待死、0歳が、65%

第5章 私がいただきます
case10 障がいのある子
case11 テレビ取材で会えたゆりちゃん
case12 「なんでお母さんは産んでくれなかったの?」
親と子の交流会

第6章 出自とは?
手紙や洋服に偲ぶ“産みの母”
「私が答えです」モニカさんの証言

第7章 世界の匿名出産、内密出産
各国の孤立出産への取り組み
なぜ、日本では「ゆりかご」ひとつだけなのか?
悲惨なアフリカの現実
「ゆりかご」は、グローバルな時代へ

第8章 蓮田健が法医、先輩産婦人会医に聞く
内密出産は、なぜ必要なのか
世界のベビーボックスシンポで見えてきたこと
知られていない孤立出産の危険
内密出産の壁
これからの社会に「ゆりかご」が必要だから
「ゆりかご」、そして「こども食堂」のとりくみ

 

 

◆著者 蓮田 太二(はすだ・たいじ)

1936年 台湾に生まれる
1962年 熊本大学医学部卒
1963年 熊本大学医学部産科婦人科学教室入局
1969年 社会福祉法人聖母会琵琶崎聖母慈恵病院
1971年 同上院長就任
1978年 医療法人聖粒会 慈恵病院を設立。病院の運営を移管。理事長就任
2007年 「こうのとりのゆりかご」設立。運営開始
2011年 病院長兼務

《主著》
『手間ひまかける 気を入れる』(共著、女子パウロ会 2009年)
『「こうのとりのゆりかご」を見つめて』(共著、熊本日日新聞社 2009年)
『こうのとりのゆりかごは問いかける』(共著、熊本日日新聞社 2013年)
『名前のない母子を見つめて』(共著、北大路出版 2016年)