書 籍

方丈社書籍

私の西郷どん

井手窪 剛 著
四六並製 288頁
定価:1,500円+税
ISBN:978-4-908925-23-8
ブックデザイン:ランドフィッシュ

 

 

私の西郷どん
これほどまでに愛され、
日本人の心を揺さぶった人が、いただろうか。

坂本龍馬から松下幸之助まで、
歴史上の人物、64人が、見た、感じた、西郷隆盛像!


 

 編集者からひとこと

明治維新から150年。いまだに西郷隆盛は、多くの謎に包まれている。維新の立役者でありながら、西南戦争で明治政府と戦うことになる、その人生は、日本の近代が抱えた矛盾を一身に背負ったかのような印象を与える。多くの日本人の、「もし、西郷隆盛が生きていたなら、日本はどうなっていただろう?」という問いかけは、あたかも、果たせなかった日本の夢を振り返るのにも似て、私たちの現在を今なお照らし出している。



 目次

1 辛苦 幼少時の西郷どん
内村鑑三 西郷少年のこと
西郷覚左衛門 少年の心に宿る暗い影
西郷従道 弟の眼から見た西郷どん
吉井友実 おいは隆盛でゴワスか
大久保利通 不遇が二人を結びつける

2 研鑽 役人・斉彬時代の西郷どん
島津斉彬 西郷一人は、薩国貴重の大宝也
松平春嶽 西郷帰りを忘れたり
藤田東湖 西郷は強に失す
橋下左内 西郷は悲劇の刺客、荊軻を思わせる
長岡監物 天下の形勢等能(よく)見渡し居申候
元田永孚  一瞬にして心を奪われる
岩下方平 西郷は礼儀に無頓着だが、国事にはしゃんとした

3 転生 斉彬の死・遠島の西郷どん
月照 死生観を変えた友の死
島津久光 西郷だけは、許せん!
土持政照 なんとしても死なすわけにはいかぬ男
愛加那 それでもなお、愛は消えず
川口雪篷 どん底でめぐりあった終生の友

4 雄飛 幕末維新の西郷どん
勝 海舟 いうにいわれぬよいところがあった
坂本龍馬 少しく叩けば少しく響き、大きく叩けば大きく響く
中岡慎太郎 実に知行合一の人物也
木戸孝充 西郷たいていにせんか!
アーネスト・サトウ 黒ダイヤのように光る大きな目
徳川慶喜 今幕府に西郷に匹敵すべき人物ありや
篤姫 吉之助、逃げたな!
岩倉具視 西郷を捨てた冷徹
三条実美 人づてに聞くあらしやまかな
明治天皇 西郷への恩を忘れるな

5 残火 新政府の西郷どん
大村益次郎 今後の変は西南から西郷がもって来る
板垣退助 変わらなかった西郷、変わり続けた板垣
金子堅太郎 上野の銅像そっくりだった
高橋新吉 留学生への細やかな気遣い
山縣有朋 西郷から遠く離れて
大隈重信 破壊の勇者で建設は不得手
伊藤博文 西郷は、政治ができなかった
渋沢栄一 大西郷は莞爾として笑われた
ウィリアム・ウィリス 戦場で生まれた西郷との友情

6 帰郷 鹿児島私学校・西南戦争の西郷どん
西郷寅太郎 記憶に残る子煩悩な父の姿
谷 干城 国民国家へのいばらの道を歩いた猛将
川路利良 西郷を慕い、背いた男の筋の通し方
福澤諭吉 抵抗の精神を教えてくれた人
中江兆民 今の世に西郷がいてくれたなら
頭山 満 西郷の遺志を引き継ぐという思想
井上哲次郎 陽明学の精神と致良知
三浦梧楼 子分たちを放ってはおけなかった
犬養 毅 西郷に感じた不条理への畏れ
大久保利通 西郷と刺し違えた運命の同志
牧野伸顕 大久保利通の息子が見た西郷

7 遠望 没後の西郷どん
岡本綺堂 “西郷星”のこと
西郷 糸 薩摩おごじょの心意気
肥後直熊 西郷の肖像画を描いた人々
副島種臣 国家の多難、南洲を憶う
新渡戸稲造 武士道の理想を体現した西郷
徳富蘇峰 偉いから本当に偉いのである
池辺三山 天下の重きを担うだけの資格がある人
北 一輝 維新革命の心的体現者
ハーバート・ノーマン 近代化の視点から西郷を読み解く
安岡正篤 陽明学と知行合一の思想
新村 出 敬天愛人と戦後民主主義
諸橋轍次 〈行くに径(こみち)に由らざる〉教え
松下幸之助 功労には禄を与えよ、しかし地位は別だ
山本七平 日本教の体現者、西郷隆盛
本田宗一郎 西郷隆盛型の偉人の時代は終わった
石牟礼道子 名もなき民のまなざし
三島由紀夫 美とユーモラスに秘められた悲劇

 

 ◆著者 井手窪 剛(いでくぼ・ごう)

昭和47年、愛媛県上浮穴(かみうけな)郡久万(くま)高原(こうげん)町生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学)デンマーク・スウェーデン語学科卒業。全国歴史研究会本部常任理事。歴史研究家として、歴史書籍の著作、企画編集に携わり、講演・テレビ等でも活躍。著書に、『日本武術・武道大事典』(共著・勉誠出版)、『歴代 日本の総理大臣』(ブティック社)、『そのときどうした!? クイズ歴史英雄伝シリーズ』(ポプラ社)、『時代小説「熱烈」読者ガイド』(共著・講談社)などがある。